2009年度 人権学習(5年生)大分県杵築市H小学校

5学年 人権総合学習指導案

         新型インフルエンザについて考えよう       

―新たな差別を生まないためにー

1.ねらい

新型インフルエンザへの対応を患者の立場から考えることにより、インフルエンザが身近な問題になったときに、冷静に対応できるようにする。

2.指導計画 (5時間)

・ 新型インフルエンザについて知ろう(1時間)

     患者、医療関係者、一般の人それぞれの人権について考えよう(1時間)

     自分や身近な人が新型インフルエンザになったらどうするか考えよう(1時間・本時)

     学校の友だちにも掲示板を利用して知らせよう(1時間)

     新型インフルエンザがはやったときに対応の仕方を振り返る(1時間)

3.本時

学習活動

指導上の留意点

 

 

1. 新型インフ

ルエンザの現在の状況を出し合う

 

2. もし自分が

インフルエンザになったらどうしてほしいか考える

3.身近な人がインフルエンザになったときの対応について考える

これまでの学習で新型インフルエンザへの対応では患者の人権を軸に対応を考えることが大事であると確認されている。

     報道の内容、病気の特性でわかってきたこと、高校生への中傷などの問題から、差別の構造を考えさせる。

・ 恐怖心が人を避ける気持ちにつながることから、新型インフルエンザは微弱性で薬で治る病気であることを押さえ、安心感を与えることの大事さに気づかせる。

     病気になったとき自分にしてほしいこと、してほしくないことを出し合わせる。

「してほしいこと」医療の確保 安心の提供

「してほしくないこと」診察拒否 いやがらせ

 

○患者の立場にたち、医療の提供、安心の提供を優先させること、患者やその家族の気持ちを考え、発言に気をつけることを確認する。

4.終わりに

過去、日本はハンセン病の問題で、国民に恐怖心を植え付け強制隔離政策を長引かせて根深い差別偏見を生んできた。患者の立場に立たない政策の結果であった。この問題はいまだに解決されていない。今回の新型インフルエンザの問題も対応の仕方によっては新たな差別を生む危険性が高いと思われる。連日報道される内容は、病気の怖さを国民に植え付けているといえるだろう。感染源という考えは、患者を悪者とみる意識につながらないだろうか。隔離という言葉も恐怖心をあおる。インフルエンザになってもきちんとした治療がされれば治るし、それほど恐れる必要はないだろう。国民に対して、病気になっても医療がきちんと受けられるという安心感を与えることをもっと前面にだして報道すべきだと思う。公衆衛生のあり方を考えさせられた。子どもたちは、単純に患者の人権を優先すべきであると答えを出した。

本校では新型インフルエンザに7割の子どもがかかった。しかし、混乱はなく差別的な言動もほとんど気にならなかった。


1.新型インフルエンザについて考えよう1(4月28日 1時間)

@ねらい

新型インフルエンザについて知り、患者、病院関係者、一般の人たちの人権について考える。
ハンセン病について知る。

A流れ

・新型インフルエンザの資料を読み聞かせる。
・子どもの感想から、患者を保護と隔離の問題、病院の医者、看護士への感染の問題、一般市民への感染について話し合う。
・隔離の問題から、病気が完治した後の患者の解放について考え、ハンセン病の問題へとつなぐ。
・ハンセン病になった人は、病気が完治した後も、何十年も隔離されてきたこと、今も家族とのつながりが絶たれ、ふるさとへ帰れないことを知らせる。

B子どもの感想
・病気が治ったあとも隔離していたなんて信じられない。
・ハンセン病回復者の方の話を聞いてみたい。

新型インフルエンザについて考えよう2(5月14日 1時間)

@ねらい

「新型」に名称が変わった意味を考えることにより、言葉の影響力について感じ取ることができる

だれの人権を優先すべきか考えることにより、困っている人を優先して考えることの大切さに気づく

A流れ

・豚インフルエンザではなく新型インフルエンザと名称が変わったのはなぜか考える。
 豚とつくと、豚肉を怖がったり、豚肉の関係の仕事の人たちが迷惑をするから

・患者の人権と家族の人権と医療関係者の人権と一般の人の人権、どれを優先すべきか考える
 子どもたちは、患者の人権という答えをだした。
 一番困っている人を中心に支援が必要

新型インフルエンザについて考えよう3(5月19日 1時間)

@ねらい

自分が新型インフルエンザになったら、してほしいこと、してほしくないことを考えることにより
患者の側にたった見方ができるようにする
A流れ

・差別偏見はどうして生まれるか考える
 隔離という言葉やテレビで予防服を着た人たちのものものしい姿をみることにより
 新型インフルエンザは怖いなあと心にしみこんでいく

 すると、人々の心の中に 怖いなあ、近寄りたくないなあ、うつりたくないという気持ちが強くなる

 その人を避けたり、恐れたり、自分のことだけ考える気もちが差別偏見へとつながっていくことを知る

・新型インフルエンザは、普通のインフルエンザとほとんど同じで薬を飲めば治るので大丈夫だということをおさえる

・もし、自分が新型インフルエンザになったら、周りの人に「してほしいこと」「してほしくないこと」を考える
 「してほしいこと」
 治療に関して 治療をしてほしい 薬がほしい おいしい料理を食べさせてほしい
          看病してほしい
 心の問題   やさしくしてほしい 励ましてほしい 普通に接してほしい 
          マスクなどが足りなくなったら、もっている人がない人に分けてほしい

 「してほしくないこと
 治療に関して  病院で診察を断られたくない ほったらかしにしないでほしい

 心の問題    どっかいけとか、おまえのせいだとか言わないでほしい
           差別したりいじめたりしないでほしい
           家族にいやな事をいわないでほしい
           横目でみたり変な目で見ないでほしい

・新型インフルエンザの人がでたらどうしたらよいか考える
 治療がきちんと受けられるようにする
 病気の人が安心できるように やさしくする
 うつると言ったり、さけるなど嫌がることを言わない、しない

2ハンセン病問題学習


5・6学年 人権総合学習 指導案

ハンセン病問題を考えよう

1.ねらい

     ハンセン病についての正しい知識を知り、ハンセン病回復者阿部智子さんの話を聞いて思いに共感することができる。

     ハンセン病の正しい知識を広げるために、ハンセン病についてわかりやすくまとめ学習発表会で発表することができる。

 

2.指導計画(20時間)

時間

過程

内容

備考

導入

DVDを見て感想や質問を出し合う

 

質問を出し合い課題づくりをする

DVD「ぼくのおじさんはハンセン病」 28

プロジェクター・パソコン・学習プリント

11

課題解決

課題解決しながらハンセン病について理解する

     ハンセン病とは何か@

     療養所の今と昔@

     ハンセン病の裁判についてA

     どんな差別があるのかB

     なぜ今もふるさとへ帰れないのかC

     阿部智子さんの講演会準備をするD

(阿部さんに案内状や学校紹介、自己紹介のDVDをつくる)

・ 阿部さんの話を聞くE交流2時間

・ お礼の手紙を書く

※わからないことは阿部智子さんに質問する(電話)

@     プリント パンフレット

熊本県菊池恵楓園の案内をしているパワーポイント

A     「ありたちのさいばん」紙芝居

B     「かなしい里帰り」紙芝居

C     「ふるさとへ帰れないありさん」紙芝居

D     ビデオカメラ DVD

E     講演は保護者と5・6年生

地域の方対象

 

発展

参観日の学習発表会でハンセン病について知らせる

     4班で分担し各班で原稿・資料づくり@

     発表後の質問タイムで保護者の方から質問を受けて班ごとに答える

手紙で交流するA

@     模造紙 写真 年表 紙芝居

A     お礼の手紙 写真 年賀状 寒中見舞いなどの交流

3.終わりに

ハンセン病の学習には、子どもたちは真剣に取り組むことができた。子どもたちは、阿部さんの話を聞いて、特に強制隔離が続いたことや療養所で人権を無視した扱いを受けたことに驚いた。この学習で、人によって扱いを変えることが差別だと気づき、友だちへの接し方を変えようとした子どもがいた。また、阿部さんの話を聞いたことで、家族がいることが当たり前ではないことに気づいた子どもなどがいた。阿部さんには熊本から来ていただき恐縮したが、やはり実際に交流することが大事だと感じた。


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