2015 J2・J3入れ替え戦 大分トリニータ VS FC町田ゼルビア |
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2015.12.6 | ||||
すっげー、最高。 こんなスタジアムは、いつ以来だろうか。 大分のホームが、緊張と熱気に包まれている。 公式発表は14217人。 でも、ざっと見てももっといるように感じる。 そして、熱気をはらんだこの空気は、かつて2万人を超えたドームのそれと同じだ。 こんな雰囲気を作り出せるサポーターがいるんだから、負けるわけはない。 いや、ほんと、勝つしかない空気に包まれたスタジアムは、大分トリニータの歴史を体現していた。 うん、負けるわけはない。 |
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NBU日本文理大学チアリーディング部BRAVESのパフォーマンスも力強い後押しに | ||||
いつもより微妙にテンポが速いように感じたのははやる気のせいか。 チームを、選手を鼓舞するチャントが、不安と緊張を心地よく闘志になじませる。 涙が出てきそうだ。 高揚感が、さらに涙腺を緩ませる。 ほんのすこしだけ、入れ替え戦があってよかったと感じる。 このスタジアムが再現できたのは、入れ替え戦のおかげだから。 青と黄色のストライプ。 真ん中には白地の12、サポーター番号だ。 ゴール裏がきれいに染めぬかれる。 そのコレオグラフィの反対側、バックスタンドには、4枚のビッグフラッグが掲げられる。 メインを埋めるサポーターは、タオルマフラーを掲げる。 最高だ。 こんなスタジアムをつくる大分サポーターは最高だ。 絶対に落ちるチームじゃない。 |
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キックオフ。 ホームの後押しにしっかりと応え、トリニータは攻める。 エヴァンドロ、高松の前線。 為田、松本怜のサイドが呼応する。 松本昌也は、ピッチのギャップを埋めるかのように、あちらこちらで顔を出し、危機を防ぎ、攻撃をスタートさせる。 先制のチャンスを得たのは大分。 安川が得たPKを高松が蹴る。 ゴールが小さく見えた。 どこに入れるんだ、入れるとこなんてないぞ。 そんなふうに感じた。 高松のPKは、どんぴしゃで町田GK高原に阻止される。 高松でよかった。 他の選手だったら、しょうがないなんて思えなかった。 高松で失敗したんだから、しょうがないじゃないか、次のチャンスを奪い取れ。 しかし、このPK失敗で失ったゲームのコントローラーは、もうこちらの手には戻ってこないんじゃないか。 薄々は感じ取っていた。 こういうビッグゲームは、ワンチャンスで決まる。 |
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ゼルビアサポーターのみなさん、昇格おめでとうございます。昇格するにふさわしいとてもいいチームでした。 | ||||
選手は、一生懸命ぶつかって、走って、死にものぐるいでピッチをはいずりまわる。 しかし、なかなかチームとしての圧がかからない。 個々ががんばってもがんばっても、何かが足りない気がするのだ。 後半、町田にPKを決められる。 時間は刻々と過ぎていき、今年、何度も見たような光景が展開される。 あがけばあがくほど、バランスを失い、重心を失っていく。 呆然、というのでもない。 静かな気持ち。 怒りもない。 歯車が狂ったチームがたどりつく必然の結果。 |
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いつもバックスタンドから辛辣な言葉を投げ込む若いお兄ちゃんが、誰もいないピッチを睨んでいる。 いつもいつもボロクソな言葉を浴びせているが、いつもあきらめずに応援にきている。 きっと、J3の試合もあきらめず応援に来るんだろうな。 トリニータ愛を感じる。 あっけなかった。 あれだけ今シーズン、おちたらどうしよう、いやおちるわけないとずっと重い気持ちで過ごしてきたのに。 いざ決まると、なんだかあっけない。 何かに似ている。 J3という未知のリーグ。 PKを外したチームと決めたチームが逆なら、大分は残留だった。 それをさせなかったのは、サッカーの神様の思し召しというやつだろう。 J3で、大分の歴史をまたひとつ書き換えなさい。 そして強くなりなさい、と。 しばらくスタンドに座って、何するわけでもなく時間を過ごしてしまった。 うん、来年もトリニータはある。 サッカーは続く。 そして、 あんな素晴らしいスタジアムの雰囲気をつくれるサポーターもいる。 気持ちがとことん落ちなかったのは、そのおかげだろう。 きっとみんな、何事もなかったかのように、またスタジアムに集まってくる。 あーだこーだ言いながら、あきらめず応援をする。 トリサポとは、トリニータをあきらめきれない往生際の悪い連中なのだ。 スタジアムを出て東階段を下りながら、沖縄行くかな、長野行くかな。 相模原ってどうやって行けばいいんだ、とアタマの中はすでに未知なる世界に歩を進めていた。 |
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<オフィシャルより結果> | ||||
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reported by miyashu | ||||
|風に吹かれて| |