2012Jリーグ ディビジョン2 第32節
 大分トリニータ VS ヴァンフォーレ甲府
2012.9.2
安川が前線へほおりこんだボールは、ジョンハンから三平へ。
相手DFを交わして浮かせたボールに自ら飛び込む三平、ボールはゴールへ吸い込まれる。
瞬間、23,617人で埋まった大銀ドームは、甲府サポーターの落胆をよそに、激震する。
立ち上がり、わけがわからない狂喜の叫びが飛び交う。

そう、この瞬間。
3万人プロジェクトの意味はここにある。
ホームスタジアムを詰め尽くした観客の熱狂が充満するとき、その膨大なエネルギーは、ホームチームの選手の背中を押し、勇気を奮い起こす。

疲労困憊しながらも、ギアをトップに入れ直す。
引き分けじゃだめだ、勝利をもぎ取るんだ、ゴール裏も、メインも、バックも、このまま賢く勝ち点1をなんて思っちゃいない。
監督は、勝ちに行くサインを送る。

アディショナルタイム。
大分も甲府も、ゴールを奪いにいく。
攻め合いのなかで、最後の力を、直後足がつり立てなくなるまでも、振り絞った渾身のシュートを放つフェルナンジーニョ。
フェルの魂をゴールに押し込んだダヴィ。

時が止まったかのように凍り付くスタジアム、呆然とするスタンド、ゴール裏は終わっちゃいねえとばかり、鼓舞する。
最後の最後まで、シュートを狙うトリニータ、しかし、無情にもホイッスルは終わりを告げる。
何とも言えない苦さが広がる。
でも、不思議と絶望感はない。ナイスゲーム、と讃えよう。
中盤の底から前線まで、尽きないスタミナで走りまくった為田のファイティングスピリッツに、誰がケチをつける。
あわやそのままゴールかと思われたクロス、鋭いカーブを描きゴール前を脅かす。松原の攻めの意識は、甲府に怯える影もない。
この若い選手たちが、闘う意志を見せてくれた。
ダヴィに翻弄されながらも、ボールをかすめ取る安川しかり。

J2規格外の個の力を持つダヴィとフェルナンジーニョの2トップ、置き去りになれながら、軽く振り回されながら、それでも、必死に食らいついていくトリニータのDF。
しかし、チームは臆することなく闘い、相手を上回る11本のシュートを放った。
気持ちの見えるプレーに勇気づけられた。
1億2000万円を超える昇格支援金、そして行政も企業も動き出した。
3万人プロジェクトの企画、23,617人のスタジアム。
首位甲府を迎え、リーグ終盤の正念場とも言える大事な一戦。

この状況のなかで、ミスや成熟しない連携の中でも、闘志は十分見せてもらった。
初めてスタジアムを訪れた人、サッカー観戦から離れていた人にも、何らかのものは残せたんじゃないかと思う。
回数を重ねるたびに進化していくコレオグラフィ。
ダイハツ九州ユニのビッグフラッグがゴール裏の端から移動していく、するとその下から徐々に姿を現していくコレオ。
青地に黄色で”WE ARE OITA”の文字。
大分総力戦にふさわしい、スタジアムまるごと”俺たち大分”なのだ。

残り10試合。
現実問題として、”優勝”は厳しい。狙うは2位だろう。
2位湘南との勝ち点差は5。
こんなところで、あきらめるわけにはいかない。
行くぞ!大分!!

《追記》
高松と森島の同時起用、もちろん時間は限定されるけど、これが見たい。効果あると思うんだけどな。
<ニッカンスポーツより結果>
さぁ行こうぜ 俺たちの誇り 
愛しているぜ
 ラララ ラーラー ラララ ラーラー
 前を向き 突き進め
「サンバDEデート」

トリニータ応援blog
reported by miyashu
風に吹かれて