第89回天皇杯全日本サッカー選手権大会 2回戦
 大分トリニータ VS 横河武蔵野FC
09.10.11
半袖レプユニのままクルマを下りたけど、まあ、なんか肌寒いねえ。
芝生席にレジャーシート。天高く、見はるかす秋の空。
娘と2人、フレスポで買ってきた昼飯を食いながら、まったり。
格好のサッカー日和です。
これが第三者的に観戦できる試合なら、最高に面白い午後のひとときになっていたでしょう・・・。
格下に負けるなんて・・・・なんて言葉も聞かれるけど、ノックアウト方式の一戦必勝トーナメントでは何が起こるか分からない。番狂わせ、ジャイアントキリングを楽しみに、天皇杯を見ているサッカーフリークも多いことだろう。
心の中では、そんなこと、まさか、と思ってみるけど、でも、これまでのトリニータを見ると、なんかありそうだなと思えて、心配もあった。でもねえ、まさかこんな展開になるとは。
天皇杯仕様のボール。
そしてパンフレット。
3回戦、九石ドームで、再び目にすることができるでしょうか。

天皇杯ハンカチが配られたようだけど、これって3回戦もあり?
ほしいような、どうでもいいような・・・
さて、代表招集中の周作にかわり、GKは下川。ベテランの味を見せてくれ。
攻撃陣は、フェル、金崎、東のこれってもしかして0トップ?
サイドは家長、高橋。
注目はボランチの菊地・清武純和製ダブルボランチ。
DFはいつもの3人。(藤田はもうすっかりいつものメンツ)
ボールを支配するのは圧倒的に大分。
DFからしっかりボールを回してビルドアップしていくいつものパターン。
でも、これっていざ前線で攻撃にシフトしたとき、がっちり固められたDFをなかなか崩せないわけです。攻めに攻めに攻めながら、J1の貫禄を見せるような、スーパーなゴールもなく、泥臭くゴールをこじ開けるような気迫もなく、いつものごとくおしゃれなヒールが、相手DF前に供給されたりするわけです。

家長って左サイドでボールもらったら、絶対中に切れ込んで、真ん中にいる選手にパスするんですね。追い抜いてったDFは絶対使わない。この試合だけでなく、ずっとそんな気がしてるんですが、どうでしょう?

スコアレスで折り返した時点で、かなりフラストレーションたまりっぱなし。
こんな試合は、得てして相手のカウンター一本で決まったりするもの。不安がちらっとよぎる。
見事でした、横河武蔵野FC。きれいなカウンターがすぱっと切れ味良く決まって、先制。
ああ、やっぱりかよ。
狂喜乱舞の横河サポーター。ゴール裏を練り歩く、練り歩く、メインスタンドのサポも共鳴する。
ああ、気持ちいいだろうな。大分なんかこんなもんかいって、思ってるだろうな。
そうなんだよ、大分って、今やこんなもんなんだよな。
改めて、現実に目をやる。

さあ、目を覚ましただろう、大分よ。
と思いきや、相変わらずゴールは決まりそうにない。なんかここまできても火はつかないかい。

そうこうするうちに、ペナルティエリア付近でのFK。
バーを叩いたボールは、混戦のゴール前、え、え、え、で、押し込まれた。

0−2。
まさかの0−2。
唖然。

覚悟しましたさ。
これが現実なんだって。格下とか、何だとか、関係なく、大分はこんなチームなんだと。
ああ、千葉と横河の試合を九石ドームに見に行ったろかい。
そんなふうにまで、心の中のスケジュールに書き込みましたさ。

ようやく火がついた大分の猛攻も、なんとかかんとか、クリアする横河武蔵野。
勝利は、目の前。元気がいい。

高松のゴールが決まっても、なんか微妙なかんじ。

ああ、ロスタイム。
なんか長いな、いつまでとってるんだ?
呆然とピッチを眺めつつ、虚しい思いで実らない攻撃に歯噛みする。
DFの裏へのロングボール、単調なサイドからのほおりこみサッカーにすでに変貌している。

うわああああああ、決まった・・・・!!
なんとCKからの同点ゴール。夢生、みたいだ。どうもそうらしい。
さすがに叫びましたね。雄叫びました。
震えが来た。

とりあえず、延長で点入れよう。
まだ攻撃は残っていながら、そう考えるとこがかなしいか。
延長に入って、落ち着いて大分の攻撃が展開される。
向こうはもう攻め手を失っているかんじ。スコアレスでPKに希望を託すのか。
大分はやっと流れの中から、きれいに得点。

得点後は、丁寧に、丁寧にパス回し、攻めてこない相手にポゼッションで時間をしのぐ。
バクスタ周りからは、攻めろ、攻めろ、と怒濤の非難。
でも、延長だし、相手の攻撃を考えると、カウンターが一番怖いので、これでいいんじゃないかと思いつつ。
こちらのミスからCK。
そして失点。

なんじゃ、そりゃ!!!!!!!!
あり得ない展開に、もう怒りの気力も失せる。
これが弱いチームの典型か。
なんであれだけポゼッションして、セーフティーにいってたんだよ。意味ないじゃん。

とうとうPK突入。
家長のPKシーン
PKまでくれば、もうどっちが勝っても運だのみみたいなもの。
そして大分にはチャンスに弱そうな選手が多い、とすでに自分は弱気。
家長は決めたけど、高松・・・いやああな予感、的中。
そしてフェル・・・・は決めると思ったのに。

下川が気を吐き、2セーブでなんとかかんとか薄氷を踏む勝利。

もう、喜びとか、そんな次元を超えて、吐きそうです。
ここまでフルコースでやってくれなくても。
ああ、他サポさんは、とっても重厚なおいしい試合だっただろうな。こんな見物はないや。
ふがいない大分に対して、横河武蔵野FCはすかっと爽やかなプレーを見せてくれました。
サポさんも、楽しい。
「関あじ、関さば、二階堂」なんてコールもあったらしい。「慎吾返せ」コールは聞きました。
ゴール裏を練り歩くし、なんかアットホームな雰囲気。

試合後、場内を一周してあいさつする横河武蔵野FCにトリニータサポーターからも、大拍手。トリニータへの拍手より大きかったくらい。
PKを外して泣きじゃくる20番に、にこにこ笑顔の5番が指さして、こいつが外したみたいなことを言ってました。どの選手からも、満足そうな笑みが見られました。
天皇杯でも、これだけ相手に拍手を送るような試合は初めてです。
ゴール裏から、盛大なコールも気持ちよかった。
止まらねぇ 俺達 大分
暴れろ 荒れ狂え
ラララララララーラララ 
叫び (oi) 歌え
「SEE OFF」

トリニータ応援blog
reported by miyashu
風に吹かれて