2008Jリーグ ディビジョン1 第31節 大分トリニータ VS ジェフユナイテッド千葉 |
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08.11.9 | |||||
勝利の女神が微笑む、という表現がよく使われる。 この試合をひとことで言うなら、勝利の女神が微笑まなかった試合とうことになろう。 優勝を目指すチームと、残留争い渦中のチーム。ともにモチベーションは高い。 気持ちのぶつかり合いも激しい。 シュート数は大分の14に対し、千葉は5。 しかし、そんな数字以上に両チームの気持ちの入った攻防は、どちらに勝利の女神が微笑んでもおかしくなかった。 サッカーの試合は多く攻めた方が勝つというものでもないし、ポゼッション率なんて勝敗にはまったく関係ない。 選手の努力にどこかの瞬間、何かの力が働いて、勝敗は決まる。 勝負というのは非情なもので、女神は微笑みかけてはたたずまいを正し、また向こうに向き直り、結局審判を下さなかったのである。 勝ち点1を分け合うというこの結果が、大分の優勝、千葉の残留にどのような影響を及ぼすのかは、シーズンが終わってみなければ分からない。 |
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日本一権威のある天皇杯はベストメンバーでのぞまなければならない。 いわゆる犬飼発言のターゲットとなった両チーム。 大分と千葉。 この両チームに共通するのは、天皇杯よりリーグ戦がチームの運命を握るものであること。そして、悲しいかな過酷なリーグ戦を戦い抜くには、あまりにも選手層が薄すぎるということ。 持たざるものには、「ベストメンバー」なんぞありはしないのだ。 金満チームの視点でしかものを言えない日本サッカー協会会長。このままでは持たざるチームはつぶされてしまう。 |
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ホベルトの故障、ウェズレイもベストコンディションではないらしい、エジミウソンも疲弊しきっている。ナビスコではDF全員が足をつりながら最後まで我慢忍耐のプレーをした。 しかし、キックオフと同時に惜しまぬ献身プレーを尽くす選手たち。 だがやはり気持ちだけではどうにもならないこともある。 パスミス、シュートの精度の悪さなどが目立つ。それでも果敢に攻め続ける姿に、魂を感じる。 ウェズレイのプレーに、改めて彼がいなければ今のトリニータのスタイルは確立しないことを思い知る。ボールの収まり方、まわりの動かし方、相手に与える脅威。このベテラン選手でなければできないプレーばかり。 高松も素晴らしいプレーをし、驚愕のキープ力を発揮するが、ウェズレイのプレーとは違ったもの。 よくも悪くも、今のトリニータはウェズレイありきで、構築されているのだ。 来シーズンに向け大分はウェイズレイの慰留に努め、ウェズレイも大分で現役続行に傾いているという。安心感と同時に、1年フルでプレーできるかという不安もよぎる。何せ、ウェイズレイありきのチーム構想に、ウェズレイの代わりはいないのだから。 |
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慎吾、大海のコンビネーションが深井を止める。 1対1で大海が深井からボールをかすめとる。ここを押さえることの重要さを、誰もが分かっている。だからこそこの安心感のある大海のプレーは、賞賛に値する。 0−0で折り返す前半。 いつも通り、プラン通りのスコアであるが、先が見通せない。 運命を握るワンプレーがどちらのチームにいつ見られるか。それが試合を決するだろう。 そんな思いで、後半を迎える。 |
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両チームの攻防に、なかなか交代のカードが切れない。 後半、実に絶妙なタイミングでカードを切るシャムスカも動かない。そりゃ動けないよなと思う。入りそうで入らない、でも入るニオイがする。でも入らない。 これでもかと怒濤の攻撃を見せるも、ついにタイムアップ。大分の選手はどっとピッチに倒れ込む。 確かに勝てた試合だった。しかし、千葉サポも同様の思いを抱いたに違いない。データは大分優勢でも、勝ちのニオイは両チームにあったのだ。 女神はとうとう微笑みを見せなかった。ただそれだけだ。 しかし、鹿島も引き分けた。川崎も名古屋も負けた。 この勝ち点1が、望みをつないだ。 天皇杯敗退で、2週間の準備期間を得た。 ホベルトは2試合の出場停止となった。 いよいよ首位鹿島との直接対決。 勝つしかない。 今シーズンのシャムスカサッカーの集大成を見せなければ。 大分サポーターにとっては、ナビスコ決勝を待ちわびたあの2週間の高揚感が再びやってくる。 |
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<ニッカンスポーツより結果> | |||||
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reported by miyashu | |||||
|風に吹かれて| |