夢をたぐる |
2002 J.LEAGUE DIVISION 2 第39節 新潟戦(2002.10.23) |
天王山。 このことばを聞くとき、いつも一昨年の10月22日を思い出す。 大分市営陸上競技場。 対浦和レッズ。 14000人の観衆で埋まった競技場。 しかしバックスタンドからゴール裏の大部分を 真っ赤に染めたのは浦和サポだった。 浦和サポの脅威の応援に気押されしたように、 試合は2−0でトリニータの敗北。 昇格レースに大きく水を差した。 2002年10月23日。 天王山はふたたびやってきた。 20時間のバスの旅でやってきたアルビレックスサポーター。 人数は少ないが、心意気は人数をはるかに凌駕する。 しかし、負けてはいない。一昨年と違うのはトリニータサポーターである。 メインスタンドは満員。 ゴール裏はホームはもちろん、アウェイ側もトリニータサポーターが埋め尽くす。 競技場が青に染まった。 最近のトリニータの試合では当たり前になってしまった光景である。 選手入場とともにゴール裏が揺れる。 タオルマフラーを掲げてアレ・オ・トリニータの大合唱。 最高のホームができあがった。 最高のホームに応えるトリニータイレブン。 この試合の意味を一番知っている男たち。 この試合を決定づけたのは、 辛酸を嘗め続けてきたトリニータの歴史を背負い続けてきた山根巌。 渾身のシュートがキーパーの手をすり抜けた1点目。 切り込んで切り込んでコースを狙い澄ました2点目。 試合は決まった。 スタジアム全体がひびき合う。 岡中が雄叫びをあげる。 アンドラが芝生に滑り込む。 看板を乗り越えてスタンドにあいさつに来る。 浮氣の合図で看板より前に出て来るようになったのはいつのことだったか。 サポーターの力を信じてくれる証だ。 J1昇格が見えてきた。 戦いはまだ続く。 夢に手が届くまで。 |
reported by miyashu |
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