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最新ニュース


ここでは,レースに関する情報をできるだけいち早くお伝えします。

2002・7・31
○独自のレスキューチーム(GT)
・先日行われた第5戦から,GTアソシエーション独自で編成したレスキューチームF.R.O.の運用を開始しました。残念なことではありますが,死亡事故や重症事故が年間で何件もあるのがモータースポーツ。それだけにレスキューの重要性はいまさら語るまでもないと思います。アメリカのCARTの中継を観ていると,レスキュー体制の充実ぶりには驚かされるものがあります。日本の場合は,もちろんそれぞれのサーキットでレスキュー体制は整えていますが,いわゆる「プロ集団」としてのものは少なく,オフィシャルの方々の熱意に頼っている部分が大きいです。GTは数年前に全身大やけどを負い,生死の境をさまよった(幸いにも一命は取り留めましたけど)というような事故が起こっています。その時,事故の際の体制の不備が問題となりました。それだけに,今回の「プロ集団」としての取り組みは評価できるものだと思います。F.R.Oのドライバーは,GTも経験しますのでご存知の方も多いと思いますが星野薫さんです。その他,医師やライフセービングのプロ,そして日本語も堪能なアメリカ人のファイヤーマン(言葉の面でも外国人ドライバーの橋渡しができますね)の4人構成です。GTアソシエーションとしては,もう1つチームを増やすよう計画中だそうです。こういった動きが,他のレースでも出てくるといいですね。もちろん解決しなければならない課題も多いとは思いますが。

2002・7・30
○ドライバーチェンジ(Fポン)
・コスモオイルレーシングチームからリリースがあり,次の第6戦からB.トレルイエに代わって立川祐路がステアリングを握ることになりました。立川は,昨年Olympic KONDOからFポンへ参戦。ランキング3位に入りました。また,GTではauセルモでスープラを駆り,見事チャンピオンを獲得。そうしたことから,今年は活躍の場を国際F3000に移そうとしたのですが,なかなかいいシートを得ることができず,昨年に引き続いてGTへ参戦していました。途中からの参戦ですので,すぐには結果が出ないかもしれません。しかし,すでに5月と6月の行われた合同テストには参加していましたから,そういった意味ではある程度マシンになれるのは速いでしょうから,昨年のような活躍が期待できるでしょう。

2002・7・29
○噂(F1)
・来期ではなく,今季のドライバーの動きについて噂がいくつか出ていますが,その中から2つについて。まず,なかなか完走さえできない状況になっているトヨタのA.マクニッシュですが,今季途中で放出されるのではないかという噂が出ていました。彼の代わりに,アロウズのH.H.フレンツェンがシートに収まるとも。しかし,この噂についてはTMGのO.アンダーソン社長が完全に否定しましたので,単なる噂で終わったようです。もう一つは,ミナルディのA.ユーンについて。彼について私のコメントを27日付のこのページでも書きました。ともかく彼の今の力でF1のレースに参加するのは絶対無理!こういった私のコメントを聞いたからということはありえませんが,ユーン自身が,ドイツGPで予選落ちした後,チーム代表であるP.ストッダートに休養を申し込んだと言う話が出てきています。自分のパフォーマンスに自信を失っているようですし,もう一つ頼みの綱であったマレーシアからのスポンサーマネーも遅れ気味ということ。これらの点が重なって休養を申し込んだそうです。もしこの話が本当であれば,彼自身にとっては,いい決心ではないかと思います。来年あたりもう一度Fポンに戻ってきて,トップ争いに絡めるところまで成長できたとしたら,あらためてF1を視野に入れてみるのもいいのではないでしょうか。

2002・7・28
○何とかしてよ(F1)
・ドイツGPの決勝が行われ,前回のレースでチャンピオンを決めたM.シューマッハが,2位に10秒あまりの差をつけて今季9勝目をゲットしました。これまで母国グランプリでなかなかいい結果を出せていなかったシューマッハでしたが,見事にチャンピオンにふさわしい走りを母国の人たちに直接見せることができました。とは言っても,12戦中9勝ですから,全く手がつけられない状況と言えます。今日のレース終了後から,F1も夏休みに入ります。フェラーリ以外のチームは,この間にもっとフェラーリF2002と互角に走れるようなマシン開発をしておいてほしいものです。ところで,唯一の日本人F1ドライバーである佐藤琢磨ですが,今回は何と8位(!)でチェッカーを受けました。これまでは9位が最高でしたからベストリザルトとなりましたし,ホンダ勢の中でのトップのリザルトとなりました。これを契機に,後半戦でもっと活躍し,初ポイントゲットとなることを期待しましょう。

○GT−R初表彰台(GT)
・第5戦の決勝が行われ,ポールからスタートした昨年のチャンピオン竹内&立川組のスープラが,3度もセーフティーカーが入る荒れたレースを制し,今季2勝目を獲得しました。2位には,今季初表彰台となる本山&クルム組のニスモが入りました。彼らにとっての今季初表彰台だけでなく,GT−Rにとっても同様です。さらにV6のVQエンジンにとっては,全く初の表彰台ということになります。これをいい機会として,GT−Rがますます活躍し,スープラとNSXとの争いに絡んでくるとますます面白くなってくると思います。ついでに,これを機会に市販のGT−Rも一日も早く復帰するといいのになあ。

○どうなる琢磨(F1)
・トヨタのF1チームであるTMGのO.アンダーソン社長が,記者会見においてジョーダンからエンジン供給の要請を受けていることを認めました。今季BARとジョーダンの2チームにエンジンを供給しているホンダですが,噂によると来期はBAR一本に絞り,なかなか思うような結果が出せない状況を打破していきたい意向のようです。ですから,ジョーダンとしては,早くエンジンの目途をつけておこうとする動きがあっても不思議ではありません。ここで問題となるのが佐藤琢磨です。ご存知のように琢磨はホンダから支援を受けてきたドライバーです。琢磨とジョーダンとの契約するのに,ホンダが何らかのかかわりがあったことも噂の一つになっています。琢磨とジョーダンとの契約期間は2年ですから,通常ですと来年もチームに残留することになります。トヨタとしたら,優秀な日本人ドライバーを傘下に入れるのは,決してマイナスではないでしょう。しかし,現在CARTシリーズで活躍している高木虎之助の存在もあります。彼もF1復帰を願っている中の一人です。ホンダは,ワールドワイドな活動をするということから,日本人ドライバーへのこだわりはないと従来から言っていますが,やはり国内向けの戦略を考えると,いて損はないでしょうから,琢磨を手放すことはマイナスに働く可能性もあります。さて,来期の体制はどういう結論に達するのでしょうか。

2002・7・27
○ドイツ!!(F1)
・第12戦ドイツGPの予選が行われ,前回チャンピオンを決めたM.シューマッハが,最後の最後で最速ラップを更新し,ポールポジションを獲得しました。2位には,ぎりぎりで逆転されてしまったR.シューマッハが入り,ドイツ出身の最速兄弟が,母国レースでのフロントローを獲得しました。今回目立ったのはホンダ勢。前回は新型エンジンを投入したものの,レースらしいレースが出来ないまま全滅の憂き目を見ました。今回は,G.フィジケラが今季自己最高タイの6位を獲得。他の3人も10位前後につけ,決勝での活躍が期待できる位置からのスタートとなります。
なお,ミナルディのA.ユーンは,107%ルールに引っかかり,今季3度目の予選落ちとなっています。マレーシアマネーでF1のシートを得ていますが,やはり彼のドライビングのポテンシャルからいうと,正直彼には重荷なのではないかと感じざるを得ません。

○スープラ強し(GT)
・第5戦の予選が富士スピードウェイで行われました。昨年のチャンピオン竹内&立川が駆るauセルモスープラが今季初となるポールポジションを獲得しました。予選上位6台中3台をスープラが占めていて,相変わらずの強さを見せています。今大会からGT−Rは3台(本山&クルム組,影山&コマス組,星野&田中組)のマシンにV6のVQエンジンが投入されました。その3台の結果は,前々回のレースで一度VQエンジンを搭載して走った本山&クルムが3番手につけたものの,後の2台は下位に低迷しています。やはり投入して間もないだけに,すぐの大きな結果を求めるのは無理なのかもしれません。

2002・7・26
○ハッキネン引退(F1)
・ドイツGPが始まった今日,マクラーレンが来年の体制を発表しました。それと合わせて,元F1チャンピオンで今季は休養という形をとっていたM.ハッキネンの引退を正式に発表しました。長年にわたってレースに没頭してきたハッキネンでしたが,結婚,そして何よりも長男の誕生をきっかけに,いわゆる「普通の生活」を送ることの方にこれからの人生を見出したようです。Mr.ハッキネン,大変お疲れ様でした!なお,マクラーレンの来年の体制は,今年と変わらずにD.クルサード&K.ライコネン,そしてテストドライバーとしてA.ブルツというドライバーラインナップです。

○2週連続開催(F1)
・第12戦ドイツGPが今日から「ホッケンハイムリンク」で開幕します。長年のレースファンであれば,ホッケンハイムと言えば超高速バトルが見られるサーキットという印象をもっていたはずです。森の中のロングストレートをハイスピードで駆け抜ける様は,エキゾーストサウンドが木々にこだまするのとあいまって,独特な雰囲気を醸し出していました。ところが,時代の流れからそうした超高速サーキットは姿を消していってますが,ホッケンハイムもそれに当てはまります。今回コースの大幅改修を受けて初めての開催となります。以前は1周7km弱の大変長いコースでしたが,改修後は約4.5kmという一般的な長さになりました。また,いくつかコーナーが追加されましたので,テクニカルな中速コースへと姿をかえました。当然どのチームも大幅改修後初の走行となりますので,新たなデータ取りの必要性が生じてきますので,そういった意味については,イコールコンディションに近いものがあるといえるでしょう。チャンピオンの流れは,前回で決まってますので,あとはコンストラクターズチャンピオン,つまりチームのチャンピオンがどこになるかということでしょう。また,フェラーリとしてはコンストラクターズはもちろん,R.バリチェロがドライバーズポイントで2位になれば,それこそ「完全優勝」となりますので,今回以後バリチェロへの支援が大きくなると思います。日本勢は,前回のフランスGPで全滅の憂き目を見てますので,今回は名誉挽回といきたいところ。特にホンダは,前回新しいスペックのエンジンを投入しての全滅でしたから,当然期するものが大きいはず。ただ,前回から1週間しか間があいてませんから,改良するのにそれほど時間がありません。悪くすると同じような結果となるかもしれませんので,その点で心配になりますね。

2002・7・25
○入場者数の増加(WGP)
・WGPの統括団体DORNAの発表によると,今年行われたGPでの入場者数が,すべてのサーキットで増加しているそうです。割合としては10%ということでした。今年の最高入場者が第3戦スペインGPで20万1418人!ちょっと大き目の地方都市における人口くらいの数ですね。さすがはレース大国スペインです。増加割合のトップが先々週行われたイギリスGPで,150%増ということでした。わが日本は,まだもてぎでの開催が残っていますが,開幕戦の鈴鹿が7万8102人。ただ,私の記憶では6万人台ではなかったかと思いますので,集計方法による違いで差が出ているのかなという感じがしてます。ともかく,日本でもF1に匹敵するくらいの観客がGPにも訪れるくらい盛り上がるといいですね。

2002・7・24
○ロッシ,WRC参戦(WGP)
・現在圧倒的強さでランキングトップを独走中のV.ロッシが,世界ラリー選手権(WRC)に参戦することになりました。もちろん2輪のレースを引退して4輪に替わるというわけではありません。今回のこの話は,WGPのシーズン終了後に行われるWRC最終戦のグレートブリテンに,ロッシが出資に参加しているチームからプジョー206を駆って出場するものです。ロッシのラリー好きは大変有名で,今シーズン前に行われたラリーのイベントでは,現役ラリードライバーと遜色ないタイムで走行し,2輪だけではなく,4輪のレーサーとしての才能を発揮しました。そういったこともあっての今回の参戦ではないかと思います。これはあくまでも私の予想ですが,若くして2輪の頂点に君臨しているロッシですから,結構早く4輪に転向して,そこでも才能を発揮するのではないでしょうか?

2002・7・23
○バトン,BARへ(F1)
・BARホンダより,イギリス人ドライバーJ.バトンを来期から起用するというリリースがありました。それによると,契約期間は4年で,はじめの2年が正式契約,後の2年はチームが更新のオプションを保有するというものです。バトンによると,様々なチームからオファーがあったものの,ホンダとの結びつきの強さが決断する大きな理由の一つとなったようです。実際,これまで以上にBARに対してエンジン以外でもホンダの技術が投入される模様。今はポイント獲得さえままならない状況ですから,来年以降の飛躍が期待されます。ただ,今回の発表では,もう一人のドライバーの名前が出てきていません。バトンが加入したということは,元F1チャンピオンのJ.ビルヌーブか,モナコで優勝経験のあるO.パニスのどちらかが弾き出される事になります。大方の予想ではビルヌーブ残留の可能性が高いのですが,彼のマネージャーであるC.ポロックの動きもありますので,大どんでん返しもなくはありません。果たして誰に決まるのでしょうか。

2002・7・22
○おとがめなし(F1)
・M.シューマッハが,トップを走行していたマクラーレンのK.ライコネンをかわした地点というのが,トヨタのA.マクニッシュのスピンによる黄旗区間なのではという問題が出ました。もしそうだったのであれば,当然「黄旗無視」ということでペナルティーの対象となり,今回のレースでのチャンピオン決定が取り消されることになります。しかし,審査委員会での審議の結果,「違反はなかった」という決定が下され,無事チャンピオン決定となりました。

○契約決定(F1)
・シューマッハのチャンピオンが決まりましたし,これから後半戦に突入しますので,来期の契約に関する動きが一段と激しくなってきます。その第1弾として,ルノーから来季の契約の決定が発表されました。今季は,J.トゥルーリ&J.バトンというラインナップでしたが,トゥルーリはそのまま残留。バトンに代わって今季テストドライバーだったF.アロンソを起用することになりました。トゥルーリよりもいい成績を残しているバトンが放出されるのは何ともおかしな話ですが,これもまたレース。ただし,「捨てる神あれば,拾う神あり」。どうやらバトンは,BAR移籍ということになりそうな気配です。となると,J.ビルヌーブはBAR残留でしょうから,O.パニスがシートを失うことになってしまいます。果たして彼の行き先は?

2002・7・21
○まだ7月なのに(F1)
・第11戦の決勝が行われ,フェラーリのM.シューマッハが優勝!これで今年もワールドチャンピオンに決定しました。彼自身5回目のチャンピオンとなります。本当におめでとうございました!!と,本来なら心から祝福するべきなんでしょうが,素直になれないのが人情と言うものではないでしょうか。まだ7月ですよ。まだ6戦も残ってるのですよ。こんなに早く決まったんでは,後のレースが早くも消化試合になってしまうではありませんか!まあこれもレース。それだけフェラーリ&シューマッハが強いということでしょう。来年こそは,彼らを脅かすチーム&ドライバーが出てくるといいですね。何だかこういうコメントを書くこと自体,すでにシーズンオフみたいですね。「何てーこったい!」

○何てーこったい!(WGP)
・誰もが「今季初めてV.ロッシが負けるのでは」「今季初めて4ストが負けるのでは」と思ったでしょう。それくらい昨日の予選だけでなく,今日の決勝も2ストは速かった。しかし,レースというのは下駄を履くまで分からない。あと残り3周というところで,2位を走行していたA.バロスが,かなり強引にインをさし,コーナーを曲がりきれずに転倒。しかも,トップを走行していたポールシッターであったO.ジャックを巻き込んで。結局3位を走行していたロッシがタナボタで優勝。バロスがジャックを巻き添えにした瞬間「何てーこった!」と叫んだのは,私だけではないと思います。しかし,よく考えてみたら,巻き添えを食ったジャック自身,以前は「ジャックアタック」と言われていたほど深い突っ込みと,場合によっては追突なんかもした人物。何だか因縁みたいなものを感じました。何だかすっきりしない結末でしたが,いいこともありました。それは,宇川徹が表彰台に立てたこと。もちろん彼もタナボタな訳ですが,足と尾てい骨を骨折しているのにもかかわらず,トップ争いに絡まれるくらいの走りをしていた訳ですから,その根性は大変なものだと思います。

○本山強し(Fポン)
・第5戦の決勝が行われ,昨年のチャンピオン本山哲が2位に1秒近い差をつけて優勝。今季3勝目を手に入れました。ランキングトップだったR.ファーマンはスタートでジャンプスタートのミスをし,10秒のペナルティーを受けて後退。ノーポイントに終わったため,本山がランキングトップに踊り出ました。ケガからの復帰となった道上龍が,何と4位に入賞。後半はやはり腰の痛みが出て苦しんだようですが,見事な復帰第1戦となりました。

2002・7・20
○2スト&ヤマハの反撃(WGP)
・第9戦のドイツGP予選でのMotoGPクラスは,これまでと違った結果が出ました。まず,何と言っても2ストマシンであるYZRを駆るO.ジャックがポールを獲得したこと。MotoGPクラスでは,自身初のポールですし,今シーズン2スト初のポール獲得です。2位にも,ヤマハテック3の同僚である中野真矢が入りました。3位にはM.ビアッジが入りましたので,トップ3はヤマハということになりました。このことも今季初の快挙です。足の骨折を押して参戦している宇川徹が,ランキング独走のV.ロッシを押さえて5位に入る大健闘を見せています。

○またもモントーヤ(F1)
・第11戦の予選がフランスのマニクールサーキットで行われ,ウィリアムズのJ.P.モントーヤが5戦連続してポールポジションを獲得しました。最終ラップまで王者M.シューマッハと争いましたが,およそ100分の2秒差でモントーヤがポールをゲットしました。ウィリアムズの一発の速さは,相変わらず健在です。これがレースディスタンスとなると安定性に欠ける傾向にあります。果たして今度はそうした汚名を晴らすことができるでしょうか。チームの資金不足や所有権のごたごたから,前戦に続いて1日目に走行できなかったアロウズですが,今回も予選には走行できました。ただし,107%ルールに引っかかって予選通過はできませんでしたけど。いつまでもこうした不安定な状況が続くことのないよう,レッドブルへの売却がスムーズに進むといいですね。

○今季初ポール(Fポン)
・第5戦の公式予選がツインリンクもてぎで行われ,ARTAの脇坂寿一が今季初ポールを獲得しました。今季本山とのチャンピオン争いをする中の一人ではないかと思われていましたが,なかなか結果が出ていませんでした。前戦から新しいマシンを投入し,これまでの遅れを取り戻せるのではないかと思われていましたが,ここにきてようやくその結果が現れてきたのかもしれません。なお,重症を克服し,思ったより早く今回から復帰した道上龍ですが,トップから約1秒遅れの11番手につけました。トップからは1秒近く離れてはいますが,チームメイトの服部尚貴とはコンマ1秒ほどしか離れていません。ケガからの復帰及び久々のレースですから,この結果は大健闘といえるでしょう。

○大治郎にRCV供給(WGP)
・ホンダより加藤大治郎に対してRC211Vを供給するとの発表がありました。これは,現在行われているドイツGPからではなく,次戦のチェコGPから実行されます。今季は2ストと4ストの対決が一つの焦点となっていましたが,蓋を開けてみると4ストの圧倒的優位が判明。さらに4ストを投入したメーカーでは,ホンダのみが勝利しているというように,エンジン形式だけでなく,チームまで限定された状態になっています。サテライトという形で2ストマシンを供給されているチームからは,早い段階から4スト供給が要求されていましたし,チャンピオンシップの盛り上がりという側面からもその必要性が重要となってきています。今回の決定で,ワンサイドゲームになっているレースに大きな変化が現れるようになるといいですね。ところで,ホンダ陣営のもう一つのチームであるホンダポンスへの供給についての発表がありませんでした。こちらの話はどう進展していくのでしょうか?

○レースの2日間
・WGPとF1のレーススケジュールは,1年間を通じて重なりがかなり少なく,同じ日に開催されるのが2回しかありません。その2回というのが,決勝日でいうと明日7月21日とF1の日本GPがある10月13日です。明日は世界の2輪と4輪の最高峰のレースが同じに日あるというわけですが,それにプラスしてFポンの決勝もあります。つまり,日本と世界のフォーミュラの最高峰のレースも同日開催というわけです。今日と明日は,レースファンにとってまさに「レースの日」ということになります。私も更新作業が大変ですが,できるだけ早く予選及び決勝の結果をお知らせしたいと思います。

2002・7・19
○マールボロと袂を分かつ(WGP)
・これまで長年にわたりヤマハワークスのスポンサーをしていたマールボロが,そのスポンサーを辞めることが発表されました。この世界的な不況の中,スポンサーを獲得することが非常に難しいだけに,ヤマハにとっては大きな痛手になることは間違いないでしょう。そのことに関連することで大きな興味となることは,来年のライダーが誰になるかということです。今回の離脱以前にもスポンサーシップ解消がありました。以前K.ロバーツのチームがヤマハ陣営にいた頃のスポンサーはマールボロ。ヤマハとロバーツが提携を解消した時,同様にマールボロの支援も打ち切られました。ところが,M.ビアッジがホンダからヤマハ陣営に移籍した時,イタリアマールボロのスポンサーマネーを引き連れてきましたから,現在のようなスポンサー関係となっていたわけです。マールボロとの提携を解消したということは,ビアッジとの関係が非常に微妙となってくることは間違いありません。実際,ビアッジの移籍説は,今年に入ってから常にささやかれていたことでもあります。一応ヤマハは今年のラインナップを継続するよう努力していくという姿勢を発表しています。果たしてどのような結論になっていくのでしょう。

○宇川参戦(WGP)
・先週行われたイギリスGPにおいて,足と尾てい骨の骨折をした宇川徹ですが,今日開幕したドイツGPにの初日には出場しました。タイムは7番手ですから,大きな怪我をしているにしては,かなりいい結果を出しました。8耐も控えていることですし,再び転倒してますますケガを大きくしないよう,くれぐれも気をつけてもらいたいものです。

○中国開催決定(WGP)
・WGPを運営するDORNAから,中国での開催が合意できたことを発表しました。開催は2004年からで,サーキットはこれから建設を開始する(北京から約40kmの場所)「万里の長城サーキット」。いかにも中国らしい名前ですね。「中国らしい」といえば,新サーキットの敷地面積は24000uで,観客収容数は50万人!世界屈指のサーキットが完成することになります。今回の合意では,開催は2010年までの7年間という長期のものになっています。中国は,オートバイ市場としてもかなりのものになりますので,当然メーカーとしても要注目の場所。メーカーの当資金が増えることも予想されますから,メーカー側からのレースの盛り上げがより多くなるのではないかと思いますので,レースファンにとっても朗報と言えるかもしれませんね。

2002・7・18
○第3ライダー(8耐)
・16日(火)と17日(水)に8耐の合同テストが行われました。初日のトップタイムはカワサキの柳川明がたたき出しました。ただし,柳川は8耐には参戦せず,MotoGPマシン開発のために参加しただけです。あいにくの雨交じりとなった2日目は,ホンダワークスのC.エドワーズがトップタイム。今回は伊藤真一と組んで参加しました。このペアは,ホンダワークスの第3ライダー同士。伊藤は岡田&玉田組の,エドワーズは宇川&加藤組の第3ライダーです。普通のチームですと,当然第1または第2ライダーとなるべき能力を持っている2人が第3ライダーだなんて,何とも贅沢な話です。通常第3ライダーは,ほぼ参加の望みがないのですが,宇川徹が足と尾てい骨の骨折をしましたので,エドワーズについては参加する可能性が出てきました。エドワーズ&加藤組となると,8耐優勝経験者ペアというか,SBKチャンピオンとWGP250ccチャンピオンとのペアになるわけですから,優勝候補の筆頭と考えてもいいかもしれません。

2002・7・17
○出場(WGP)
・まず,イギリスGPで転倒し,レースをキャンセルした宇川徹の情報。当初足の骨折だけということでしたが,尾てい骨も骨折していたことが判明。転倒した段階からかなり腰を痛がっていたのですが,その原因がここにきてようやくはっきりとしました。医学の素人目には,やや遅い気もしますね。ところが,次戦のドイツGPへ出場する意向が本人にあるようです。8耐が控えていますので,あまり無理しない方がいいんですけどね。もっとも,少しでも走れる可能性があれば走ろうとするのがライダーなのかもしれません。次に,R2−1に参戦している加賀山就臣について。テレフォニカモビスタースズキより発表があり,ドイツGPにK.ロバーツの代役で加賀山が出場することになりました。ロバーツは腕の血行障害を抱えていて,無理をしながら出場を続けていました。しかし,その無理にもかなり限界がきてしまったようです。実際,イギリスGPでもずるずると順位を下げ,観ている者に「どうしたのだろう?」という印象を持たせました。ドイツGPから次のチェコGPまでの間は,いわゆる夏休みに入ります。手術及びリハビリの期間を考えると,あえてドイツに無理して参戦するより,思い切って早くから処置をしたほうがいいと考えたようです。R2−1で連勝中の加賀山だけに,今回は願ってもないチャンスとなるでしょう。

2002・7・16
○見逃した方は
・元ホンダワークスのWGPライダーの青木琢磨の番組が,何とNHKの教育テレビで放映されました。ご存知のように彼は「青木3兄弟」の次男で,全日本選手権のスーパーバイクチャンピオンを獲得した後,WGPで活躍していたのですが,98年にシーズン前のテストで転倒,脊髄損傷の重傷を負い,車イス生活を余儀なくされました。その後,ハンディキャップを乗り越え,ホンダワークスの助監督を務めたり,少年少女のためのポケバイスクールを開校したりという活躍をされています。そうした彼の姿勢に注目したNHKが,中学生の道徳の番組(FOR YOU〜今 君のために〜)で彼の特集を放送しました。道徳の番組なので,やや視聴するのに抵抗があるかもしれませんが,内容が内容だけに,レースファンの私たちにも視聴するに耐えうるものだと思います。すでに放送は終わったのですが,7/19金曜日の午後2時から再放送がありますので,ビデオに撮られたりしてご覧になってはいかがでしょうか。(http://www.nhk.or.jp/foryou/でチェックを)

2002・7・15
○プロトンもV5(WGP)
・元500ccのチャンピオンで「キングケニー」と呼ばれたK.ロバーツがオーナーを務めるプロトンチームKRから,来期のエンジンの発表がありました。1997年から2スト3気筒の開発をすすめてきましたが,来期は4ストのV型5気筒エンジンで参戦する計画です。5気筒といえば今季ぶっちぎりの活躍をしているホンダRC211Vがそのエンジン形式。プロトンもその活躍に影響されたのでしょうか?ただ,現在は3気筒ですから,いわゆる「奇数気筒」に何らかの意味を見出しているのかもしれません。他のメーカーは2気筒又は4気筒という「偶数気筒」がほとんどですもんね。K.ロバーツによると11月から新型マシンでのテストを開始する予定とのこと。3気筒エンジンでは,大きな成果をあげたというところまではいってませんが,果たして5気筒マシンではどうなるでしょう。

2002・7・14
○けがしてても(WGP)
・イギリスGPの決勝が行われ,MotoGPクラスは,いつものようにV.ロッシが優勝。今季7勝目をゲットしました。中盤まではヤマハのC.チェカとの競り合いでしたが,チェカがリタイアとなってからは独走状態でチェッカー。ランキング2位の宇川がご存知のように出走できませんでしたから,さらにポイント差があき,まだ中盤だというのにますますチャンピオンへのカウントダウンが近づいてきました。250ccでは,本来の走りが見られるようになったM.メランドリが,F.ニエトとのマシンがぶつかり合うような競り合いに勝ち4連勝。市販マシンRSを駆る青木治親が6位に入賞。今季の序盤は,ポイント獲得がようやくといったところでしたが,マシン開発の成果が徐々に現れてきました。優勝というのは,雨でない限りは無理でしょうが,表彰台が狙えるところに近づいてきている感じです。

○それほどの大事に至らず(WGP)
・金曜日のフリー走行で高速のS字でクラッシュし,病院に運ばれた宇川徹ですが。検査の結果,全身打撲と右足甲の骨折と分かりました。一時は「脊椎を少し損傷」というような情報も出て,かなり心配しましたが,それまでにはいたってませんでしたから,ホッと胸を撫で下ろした感じです。ランキング2位の座を守るためにも,次回ドイツGPから復帰できるといいですね。それが無理でも,せめて8耐には完全な体で復帰してもらいたいものです。

2002・7・13
○本当に骨折?(WGP)
・イギリスGPの予選2日目が行われました。MotoGPクラスは,昨日,今日とA.バロスがほとんどの時間トップの座にいましたが,終了間際になってV.ロッシがポールポジションを獲得しました。昨日お伝えしたように,ロッシは転倒により親指を剥離骨折しています。にもかかわらずトップタイムをマーク。「本当に骨折してるの?」と疑いたくなるような彼の素晴らしい走りでした。なお,2スト勢トップは,何と原田哲也が3位。もちろん彼自身今季最高位です。マシン作りには定評のある彼ですから,序盤はなかなかいいところがありませんでしたが,ここにきてようやく自分に合ったマシンに仕上げてきてるのかもしれません。

○03年のカレンダー発表(WGP)
・FIMから来年のMotoGPの暫定カレンダーの発表がありました。ここ数年鈴鹿で開幕していましたが,来年は南アフリカGPが開幕戦となるようです。その点の変更はありましたが,鈴鹿ともてぎの2ヶ所での開催は変更がありません。

2003年WGPレースカレンダー(暫定
3/23 南アフリカ ウェルコム
4/5 日本 鈴鹿
5/4 スペイン ヘレス
5/25 フランス ル・マン
6/8 イタリア ムジェロ
6/15 カタルーニャ カタルーニャ
6/28 オランダ アッセン
7/13 イギリス ドニントン・パーク
7/27 ドイツ ザクセンリンク
8/24 チェコ ブルノ
9/7 ポルトガル エストリル
9/20 リオ ハカレパグア
10/5 パシフィック もてぎ
10/12 マレーシア セパン
10/19 オーストラリア フィリップアイランド
11/2 バレンシア バレンシア


2002・7・12
○宇川負傷(WGP)
・イギリスGP第1日目は,絶好調のRC211Vにとって悪夢のような日となりました。朝のフリー走行において,宇川徹がハイスピードのS字コーナーでハイサイドで転倒。マシンが全損するくらいの激しい転倒で,腰を強打した宇川はすぐに病院に運ばれました。足の骨折と腰を痛めた程度しか情報が伝わっていませんので詳しいケガの状態はまだ分かりませんが,今回はもちろん,来週行われるドイツGPも欠場するのではないかという情報です。場合によっては,8耐にも影響するかもしれませんね。大したケガでなかったらいいのですが・・・。V.ロッシも,宇川が転倒した直後に最終ヘアピンで転倒し,左手の親指を亀裂骨折。こちらは予選2日目からの走行は可能なようですが,場所が場所だけに少なからず影響があるものと思われます。

○メモリアル(WGP)
・第8戦イギリスGPが開幕しました。第2戦を除いてすべて優勝しているV.ロッシですが,今回も彼の優勝で終わるのでしょうか?それともロッシの連勝をストップするライダーが現れるのでしょうか?このままロッシが独走したのでは,シリーズとしては面白くなく,F1といいMotoGPといい,最高峰のレースがどちらもワンマンショーで終わってしまいそうです。しかし,ロッシにとって,今回が通算100戦目のメモリアルレース。それだけに,気合の入り方が違うはずで,やはりこれまでのような流れのまま行きそうな感じがどうしてもしてきます。100戦目といえば,今季250ccのヤマハワークスマシンを駆るアルゼンチンライダー,S.ポルトも同じく100戦目となります。ロッシにしろポルトにしろ,どちらも年齢的には若いのですが,デビューがかなり早いので,すでにベテランの仲間入りをしてしまってます。もう一つのおめでたい話題としては,足の怪我でしばらく休んでいたレッドブルヤマハのG.マッコイがようやく復帰します。今回はほぼ完全に治った状態での復帰のはずですから,徐々に彼本来のスライド走法が見られると思います。チームとの契約延長も発表されましたので,気合が入っているはずですから,いい走りを期待しましょう!

2002・7・11
○中国で開催か(F1)
・国際自動車連盟(FIA)会長のM.モズレーが,再来年の04年から新たに2ヶ所開催地が加わることを明らかにしました。大方の観測では,そのうちの一つが中国の上海ではないかということ。もう一つについては,様々な憶測があり,ロシアやエジプトなど4ヶ所程度噂に上っています。参戦費用等から考えると,レースの開催数を増やすことはかなり厳しいでしょうから,2ヶ所加わるということは,現在行われているところのどこか2ヶ所が減らされるということ。果たしてどこがカットされてしまうのでしょうか。

○再控訴(GT)
・先日の控訴棄却に対して,トムスがJAFの中央審査委員会に再控訴しました。通常の裁判で言えば,最高裁へ上告したような感じになるのかもしれません。果たしてどのような裁定が下されるのでしょうか。

2002・7・10
○ようやく発表(8耐)
・ホンダワークスの8耐におけるラインナップがようやく発表されました。これまでの段階では,WGPやR2-1及びSBKなどからオーディション等を通して選んでいくとしか発表されていませんでした。開催1ヶ月前にしてようやくの発表となったわけです。ただ,蓋を開けてみると「やはり。」という気持ちを抱かせるくらい,非常に順当なというか予想通りのメンバーが選ばれていました。ラインナップは,まずWGPのライダーで,これまでも一緒に組んで優勝経験のある宇川徹&加藤大治郎組が誕生。もう一つは,岡田忠之&玉田誠の師弟コンビが選ばれました。ホンダとしては,6連勝がかかる今年のレースです。しかも,玉田以外は8耐で優勝経験者。今年も間違いなくホンダを中心にレースが進んでいくことが十分予想されます。なお,これはすでに発表のあったことですが,俳優の岩城滉一が率いるチームイワキは,久々の登場の元ホンダワークスライダー辻元聡と高校生ライダー高橋裕紀のペアとなります。辻元は42歳。高橋は18歳。まさしく「親子ペア」とも言える組み合わせですね。

2002・7・9
○復帰に遅れ(WGP)
・ムジェロで行われた第5戦の予選において腸骨という耳慣れない部分を骨折した上田昇ですが,当初次回行われるイギリスGPから復帰予定でした。しかし,その後に首も骨折していたことが分かり,復帰が遅れることになりました。今の段階では,8耐が終わった頃に退院となりそうですから,早くても第10戦のチェコGPからになりそうです。今季125ccは,日本人の活躍がほとんど見られない状況が続いています。ノビーの熱い走りを早く見てみたいものです。

2002・7・8
○提訴棄却(GT)
・第3戦決勝において,トクホントムススープラが赤信号を無視したとしてペナルティーを受けた問題に対して,チームであるTOMSが提訴していました。その提訴に対し,7月3日付で提訴棄却の裁定が出されました。この問題は,ピットインを済ませてピットロード出口まできた元WGPの500ccチャンピオンであるW.ガードナーが,オフィシャルの手の動きを「そのまま行け」という意味ととらえ,赤信号の状態でしたがそのままコースインしてしまったのです。オフィシャル側は,「信号をよく見なさい」という意味で手を動かしたとのこと。この状況は,車載カメラがとらえていましたので,私たちにもよく分かることでした。私の考えを述べれば,裁定を下す側からすると,この結論は妥当なものだと思います。ただ,正直あのオフィシャルの行為は,もし「信号をよく見よ」という意味で出したとしても,「余計なこと」と思わざるを得ません。本来信号を見るのは当たり前の行為なのですから,特別な事情がない限り,余計な動きをするべきではありません。なぜなら,かなり速い動きの中でレースは進行するものなのですから,指示などは一目で色々な状況が分かるように単純化する必要があるからです。また,車載カメラに映った彼の動きは,「本当にそんな意味で出したの?」という印象をもってしまうような動きでした。まあ,人間色々なミスをするのは当たり前ですから,いい教訓としてオフィシャルの方々はとらえてほしいなと思います。なお,この問題は,まだ「中央審査委員会への提訴」という形が残されていますので,しばらく決着しないかもしれません。

2002・7・7
○初ポイント(F1)
・唯一ポイントを獲得してないチームのBAR。しかし,このところエンジン及びシャーシに新しいバージョンをどんどん投入し,テストでそれなりの結果を出してきていましたので,少しはトンネルに灯がさし始めたのかなという印象を持たせていました。それが,単なる印象ではなく,実際の結果となって現れ,10戦目にしてようやくポイントを獲得できました。しかも,2台で4位と5位という結果を出しました。上位チームで2台入賞というのは珍しいことではありませんが,セカンドポジション以下のチームが出す例は,今年の中でそうある話ではありません。ともかく,BARの皆さんおめでとうございました!なお,優勝は,「いつものように」M.シューマッハでした。

○土屋無念(Fポン)
・鈴鹿サーキット東コースを使って,Fポン第4戦の決勝が行われました。自身初となるポールを獲得し,決勝での結果も期待された土屋武士でしたが,何とグリッドに向かう途中で燃料ポンプのトラブルが起こり,そのままリタイアとなってしまいました。レースがスタートしてトップに立ったのが予選2位の松田次生。ところが彼もトラブルを抱え,トップの座を僚友のR.ファーマンに明渡し,さらにその後ろを走っていた服部尚貴にパスされたところでリタイアという憂き目を見ました。結局ピットインの際にトップの座を譲っただけで1位でチェッカー。ランキングトップの座を奪い返しました。

2002・7・6
○無事出場(F1)
・イギリスGPの予選が行われました。まず,資金難から出場がかなり危ぶまれたアロウズですが,チームオーナーのT.ウォーキンショーが自腹を切ってエンジンのレンタル料を払い,無事出場できるようになりました。5億6千万のお金がポンと払えるわけですから,やはりお金持ちは桁が違いますね。さて,予選の方ですが,セッションのほとんどでフェラーリの2台が1,2位を占めていたのですが,セッション終了間際にウィリアムズのJ.P.モントーヤが最速ラップをたたき出し,4戦連続してポールを獲得しました。2位と3位にはフェラーリの2台がつけています。なお,日本関係では,トヨタのM.サロが8位につけシングルフィニッシュ。9位にBARホンダのJ.ビルヌーブがつけています。佐藤琢磨は14位でした。ただし,僚友のJ.フィジケラよりは上位につけています。

○自身初(Fポン)
・第4戦の予選が鈴鹿サーキットで行われ,LeMansの土屋武士がFポンでは自身初となるポールポジションを獲得しました。午前と午後の2回予選が行われますが,1回目と比べ2回目は路面コンディションが滑りやすくなりました。そのため,1回目の予選上位者がなかなかタイムをあげられないでいる中,2回目の方がセッティングがきまった土屋が最速タイムを更新しました。今回のレースは,鈴鹿サーキットの東コースを使って行うもので,大変パッシングポイントが少ないレースとなります。それだけに予選の結果が大変重要になってきますので,土屋にとっては初勝利を手にするチャンスかもしれません。なお,今回からようやく新車を手にしたARTAの脇坂寿一は,トップから1秒半遅れの7位につけています。

2002・7・5
○代役の専門家?(WGP)
・先週のレースにおいてウェストホンダポンスのL.カピロッシが腕を2箇所骨折しましたが,その代役が決まりました。その人は,ドイツ人のA.ホフマン。そう,この間までレッドブルヤマハで代役の代役をしていた人です。G.マッコイが復帰しますので,再びシートを失っていたのですが,今度はホンダのマシンを駆ることになりました。ドイツ人ライダーは,現在その存在感を失っています。ついこの間は,最近のドイツ人では一番活躍していたR.ワルドマンが引退してしまいましたので,ますますその傾向に拍車をかけています。4輪ではシューマッハ兄弟等が活躍していますので,ドイツ国内のレースは4輪が圧倒的な人気になってしまってます。そういった意味から,一人でも多くのドイツ人が参戦することはいいことです。とはいっても,代役ですからすぐに結果が出せるほど甘くはありません。特に,マシンメーカーもタイヤメーカーも全く違うバイクに乗るわけですから,ますます苦しい走りを強いられると思います。来年のシート獲得に向け,1つでも前のポジションを走るよう頑張ってほしいものです。

○車がない(F1)
・先日はミナルディが資金を獲得し,当面は参戦可能ということをお伝えしましたが,今度は別のチームの危機が表面化してきました。そのチームというのがアロウズ。元々シーズン途中で撤退する可能性のあるチームの一つだったわけですが,資金繰りに相変わらず苦労しているようです。現在飲料会社であるメインスポンサーの北米レッドブルが買収を計画していますが,現在の経営側の反対もあってなかなか話がうまくいかないようです。今週末には,エンジンサプライヤーのコスワースに対して470万ドル(約5億6千万)のリース料を払わなくてはいけないのですが,4日の段階においてはそれも滞っているようです。本来木曜日は,金曜日から開幕するレースに向けてマシン作りをするのですが,エンジンが使えない状況ではマシンを組み上げることもできず,メカニックは仕事なし状態なのでピットのシャッターは降りたまま。果たして今回のレースのスターティンググリッドに,オレンジ色のマシンを並べることができるのでしょうか。

2002・7・4
○模様替え(F1)
・明日からイギリスGPが開幕します。たくさんの注目点がありますが,その中身は明日また触れます。今日は,その中の一点について。ウィリアムズのメインスポンサーは,これまでコンピュータメーカーのコンパックでした。ご存知のように,コンパックは昨年同じコンピュータメーカーのヒューレットパッカード(HP)と合併しました。合併とはいても,実質上は「吸収された」と考える人もいますけど。その関係もあって,今回のイギリスGPからHPのロゴがウィリアムズのマシンに入るようになりました。事前の発表では,「それほど大きく入るわけではない」ということでしたが,果たしてどんなカラーリングになるのでしょう。テレビ中継の際には,その点にも注目して見てください。

2002・7・3
○折り返し
・今月は,どのレースでも折り返しに入ります。ついこの間レースシーズンが始まったと思ったのに,もう半分を過ぎてきています。来月は,どのレースも夏休みモードに入りますので,ほとんどレースがありません。ただし,R2−1については,夏休みということもありますが,一番は夏の風物詩である鈴鹿8時間耐久があり,どのチームもそれに向けて全力投球になりますから,7月と8月のどちらもレースがない状態になります。7月が終わるとレースがほとんどない日々を送らなければならなくなりますから,せめて今月はレースでエンジョイしましょう!F1なんかは,2週間おきでなく,1週間おきにあったりしますよ!!

2002・7・2
○自己最高(元F1)
・このHPで元F1と言えばJ.アレジですが,今日はそうではありません。今回は日本人の元F1ドライバー,高木虎之助と中野信治です。ご存知のように,彼らは現在アメリカのCARTに参戦しています。この度CARTの第7戦が行われ,高木が4位,中野が5位でフィニッシュしました。高木の4位は自己最高タイ,中野にとっては自己最高位を手にしました。高木については,今季の成績によってはトヨタのF1に来年度乗れることになるかもしれないだけに,今回の成績はその試金石となりうるものであるかもしれませんし,表彰台がいよいよ見えてきた感じがしてきます。中野については,ホンダが今季を最後にIRLに戦いの場を移しますが,ホンダとともにIRLへと変わるのか,それともCARTに残るのかわかりませんが,いずれにしても来年の生き残りのためには大事なものとなったのではないかと思います。

2002・7・1
○ブラジル(WGP)
・先日はR.バリチェロがF1で2勝目をゲット。一昨日はWGPでA.バロスが今季最高位となる2位表彰台。そして,昨日はFIFAワールドカップで5度目の世界一と,ブラジルのスポーツファンにとっては盆と正月がいっぺんに来たような結果(ブラジルですから「盆と正月」という表現が合うかどうかは別として。まあ,日系の移民が多いからいいかなあ・・・。)が続いています。経済的に苦しい状態が続いていたりして,暗い話題が取り上げられることの多くなっている南米ですが,人々に勇気を与える出来事がこれからも続くといいですね。それに対して,イタリアですが,サッカーはまさかの予選落ち。もっとも,私は大分で行われたイタリアの試合を観ましたが,正直「本当に優勝候補のチームなの?」思わせるようなプレーが多く,予選落ちとなったのもうなづけるのですが。そして,オランダGPにおいてトップ争いの中残念ながら転倒したL.カピロッシですが,右腕を2ケ所骨折してしまいました。どうやら次のイギリスGPはもちろん,その次のドイツGPも欠場し,復帰はチェコGPからになりそうです。今季2スト勢の中で一人気を吐いていた感のあるカピロッシが欠場というのは寂しいですが,一日も早く復帰することを願っています。