2002・11・30
○年内(F1)
・3日間にわたって,スペインのバレンシアとバルセロナの2箇所に分かれて行われた合同テストが終了しました。バレンシアではマクラーレンが,バルセロナではフェラーリが,それぞれトップタイムをマークしました。来年のマシン開発に向け,様々なトライがなされているようです。そんな中,BARに移籍したJ.バトンは,今回のテストに参加することができませんでした。チームを変わるわけですから,一日も早くマシンに慣れておきたいところなのですが,それが実現できなかったバトン。その原因は,今年末までルノーとの契約が残っているから。ただし,そうではあっても,そこはお互い様ということで新チームでの参加を認めている例もあります。今回の件で一番ネックになったのは,スポンサーです。ルノーはマイルドセブン(JT),BARはラッキーストライク(BAT)というように,同じタバコ関連のメーカーがスポンサーとなっているためです。しかし,両者の話し合いにより,来月12日からスペインのヘレスサーキットで行われる合同テストに参加できることになりました。その条件として,「マシンにはスポンサーのロゴがなし」「スーツは無地」ということで合意したようです。
2002・11・29
○シェークダウン(Fポン)
・来季からワンメイクで使用される新型マシンローラB351のシェークダウンテストが,27日にイギリスのスネッタートンサーキットで行われました。あいにくのウェットとなりましたが,R.ライアンの手によって総走行距離が約190kmにも及びました。もちろん,初走行ですのでタイム的にはそれほどでもありませんでしたが,エキゾーストノートはかなり高音になったようで,F1マシンのサウンドに近くなったのではないかと思います。12月17日には,ツインリンクもてぎでの国内初テストも予定されているようです。来季の開幕が待ち遠しいですね。
○テストドライブ(F1)
・今季ドイツF3に参戦し,ランキング2位に輝いた松浦孝亮に対して,BARホンダから来月15日にスペインで行われるテストでのドライブの機会(同日には,先日お伝えしたFポンチャンピオンのR.ファーマンのテストドライブも組み込まれています。)が与えられました。もともと彼は鈴鹿レーシングスクール出身者ですし,フォーミュラドリームでチャンピオンを獲得したこともある人物ですので,ホンダの支援を受けているといっても過言ではありません。ということで,今回のオファーになったのではないかと思います。日本の若手に対して,こうした機会を与えていくのは,これからも継続して欲しい動きです。ところで,本来のBARテストドライバーである九州出身の福田良に関する情報が入ってきていませんが,いったいどうなっているのでしょう??同じ九州人として気になります。
2002・11・28
○チームは違えど(WGP)
・今シーズン,ホンダのNSRを駆りランキング3位に入ったR.ロルフォが,チーム移籍の発表を先日行いました。今季は,加藤大治郎が所属しているチームグレシーニから参戦していました。しかし,来季のチームグレシーニは,スズキワークスからS.ジベルナウを獲得し,MotoGPクラスへ専念することになりましたので,自動的にロルフォは移籍せざるを得ない状態になったわけです。今回移籍したチームは,フォルトゥナがスポンサーについていて,しかもマシンはホンダ。「全然変わってないのでは?」とつい思ってしまうほど,今季の状態と表面的には変わりません。しかし,実際には,今回のチームはスペイン人のD.アマトリアインが率いるチームで,そのせいもあって,フォルトゥナがメインスポンサーについたのではないかと思います。マシンについては,250ccからのワークス活動撤退により,NSRは供給されません。しかし,RS250の先行開発車的な役割を果たしているRS250Wを,来季は駆ることが決定しています。
2002・11・27
○解任(F1)
・フォードから,ジャガーチームの代表であるN.ラウダの解任が発表されました。ジャガーブランドでF1参入以来,ワークス体制にもかかわらず思うような成績があげられず,これで3年間で3人のチーム代表が交代したことになります。チームの内情はわかりませんが,チーム代表の首を挿げ替えるだけではだめだということがわかってもいいような気がするのですが…。果たして次の代表は誰になるのでしょう?一説では,一番最初の代表(というか,このチームをフォードが買収する前の時のオーナー)であるJ.スチュワートが復帰するのではないかという話もあるようです。
○準備(ルマン)
・今年でルマン3連覇を達成したアウディが,来年はワークス体制での参戦を取りやめることが発表されました。ただし,今季のチームゴウなどのプライベーターへのマシン供給は継続します。ごく近い将来F1へ参戦するという噂の立っているアウディだけに,今回の発表はF1への準備期間に当てるのではないかという見方がされています。
○復帰&移籍(WGP)
・昨年500ccに参戦していたオージーライダーA.ウェストが,再びWGPの舞台に帰ってくるようです。ただし,クラスは250ccです。今年L.ロカテリと共に125ccクラスから250ccクラスへステップアップしたTuチームからの参戦になりそうです。また,今季の125ccクラスで唯一勝利を挙げた東雅夫の移籍先も決まったようです。そのチームは,今季M.カリオを擁して参戦していたレッドデビルホンダです。ただし,パッケージングについては,これまでと同じようにRS125&ブリヂストンタイヤです。
2002・11・26
○解禁(F1)
・6週間に及ぶテスト禁止期間が明け,今日からテストが解禁となります。ほとんどのチームが,スペイン国内にあるサーキットを使ってテストを再開するようです。ただし,チーム体制が不安定なアロウズと,エンジンメーカーをチェンジするジョーダンについては,まだテストがいつから始まるか定かでないようです。この時期のテストは,当然来季のマシン作りの基礎となるものですが,もう一つ大事な要素があります。それは,新たなドライバー探し。有力なチームのシートは埋まってしまってますが,中位から下位のチームの中には,いくつかシートがあまってます。そうしたチームは,このテストに何人かのドライバーを走らせ,その中から見つけていくというスタイルをとっていく場合がしばしばあります。さて,どんな新顔が現れるのか,楽しみにしておきましょう。
○前倒し?(F1)
・2006年にヨーロッパにおいてタバコ広告が全面禁止になるのは,すでに決定済み事項です。ですからF1チームは,徐々にタバコをスポンサーとしていくことから離れようとしています。ところが,ここにきて新たな動きが出てきました。先日行われたヨーロッパ各国の首脳が集まっての会議で,ヨーロッパにおけるタバコ広告全面禁止案が採択されました。その進展具合によっては,1年前倒しの2005年から禁止されることになるかもしれません。わずか1年の違いですが,現在の経済状況等から考えても,かなりの影響が出るものと思われます。ヨーロッパ以外でのF1開催の流れに,ますます拍車がかかることになるかもしれませんね。
2002・11・25
○最新レースカレンダー(R2−1)
・これまで数度にわたり2003年の暫定レースカレンダーが発表されていますが,再び新しいレースカレンダーが出ましたのでお伝えします。今回もやはり「暫定」です。
2003年全日本ロードレース選手権シリーズ(新暫定) | ||
3月23日 | 2&4(SBのみ) | 鈴鹿サーキット |
4月27日 | SUGO(ST600のみ) | スポーツランドSUGO |
5月11日 | 筑波 | 筑波サーキット |
5月25日 | 200km | 鈴鹿サーキット |
7月20日 | もてぎ | ツインリンクもてぎ |
8月24日 | オートポリス | オートポリス |
9月14日 | SUGO | スポーツランドSUGO |
10月19日 | TI | TIサーキット英田 |
2002・11・24
○お〜い,スポンサー〜(F1)
・ジョーダンのセカンドドライバー選びが混沌としてきています。ファーストドライバーについては,J.フィジケラでほぼ決まりなのですが,セカンドドライバーについては諸説頻々。その大きな原因は,これまでもお伝えしてきたように資金的なもの。ともかく大口のメインスポンサーがまだ決まってないのです。先日は,ジャガーを離脱したE.アーバインが有利にという情報をを伝えしましたが,ここにきて新たなドライバーの名前が。その人は,今季ザウバーから出場したF.マッサ。インタビューの中で,ジョーダンから声をかけられたということを本人が発言していますし,彼にはスポンサーがついていますので,有力候補であることは間違いありません。そのインタビューの中では,テストドライバーという立場も含め,来年はトップチームと契約することは間違いないという感じの強気の発言も行っています。マッサのほかには,E.ベルノルディの名前も挙がっています。いずれにしても,佐藤琢磨にとってあまりいい情報でないことばかりがあがってきています。それもこれも,彼に有力なスポンサーがないことが原因。それと,ホンダがジョーダンとの契約を解消したことも。バブル華やかなりし頃は,たくさんのジャパンマネーがF1に流れ込みましたが,今はほとんどなし。しかも,この不景気ですから,新たなスポンサーが登場する可能性は極めて低い。どこかに琢磨を支援するスポンサーの方はいませんかねェ。
○やるねNHK(F1)
・先日カワサキMotoGPマシンの開発の様子を放送したNHKですが,何と今日はトヨタF1の様子を放送します。MotoGPもそうですが,さらに輪をかけて秘密が多いはずのF1の開発を取材し,放送するなんてそう簡単にはできないと思います。それを天下のNHKがするんですから,モータースポーツへの理解の度合いは,民放より進んでると思ってしまいます。今日午後9時からNHK総合(3チャンネル)での放送です。みなさんチャンネルを合わせましょう!!
2002・11・23
○体制発表(パリダカ)
・来年の元旦から開幕するパリダカへの三菱の体制発表が行われました。それによると,マシンは全部で4台。その内の2台がパジェロエボリューション,残りの2台がパジェロということになっています。総合優勝を狙うのはエボリューションのほうになると思いますが,このマシンを駆るのは,今年の覇者増岡浩と元チャンピオンのJ.P.フォントネとなっています。「これがパジェロ?」と思わせるくらい空力重視の形へ進化したパジェロ。当然優勝の最右翼になるのですが,何がおきてもおかしくないレースだけに,油断はできないでしょう。
○開催日程(GT)
・来年のGT選手権のスケジュールが発表されました。それによると,Fポンは無事開催されることが決まっているMINEサーキットでの開催が,GTの方は一時休止となっています。それに代わって,以前オールスター戦が開催されたことのあるオートポリスが,開催場所に新たに加わりました。九州はもちろん,四国,中国地方の方も何とかGTは観る事ができますね。MINEよりはずいぶん遠方とは思いますが,ぜひ大分の地にいらしてください!
2003年GT選手権開催日程 | ||
決勝開催日 | 場 所 | |
第1戦 | 3月30日 | TIサーキット英田 |
第2戦 | 5月 4日 | 富士スピードウェイ |
第3戦 | 5月25日 | スポーツランドSUGO |
第4戦 | 6月22日 | マレーシア・セパンサーキット |
第5戦 | 8月 3日 | 富士スピードウェイ |
第6戦 | 9月14日 | ツインリンクもてぎ |
第7戦 | 10月26日 | オートポリス |
第8戦 | 11月16日 | 鈴鹿サーキット |
2002・11・22
○3ヶ所目(F1)
・トルコ自動車連盟から,新たにF1のトルコでの開催が明らかにされました。それによると契約は2005年からの7年間になる模様です。もちろんまだサーキットはありませんが,富士スピードウェイの改修工事やマレーシアのセパンサーキット建設に携わったH.ティルケに設計を委託するようです。これで,上海,バーレーン,トルコとアジアでの開催が3ヶ所になりました。ヨーロッパでのタバコ広告規制が,F1の「ヨーロッパ撤退&アジア進出」に拍車をかけています。アジアで3ヶ所増えたということは,ヨーロッパでの開催が3ヶ所減るということ。噂にあがっている場所としては,すでに決まっているベルギーの他に,サンマリノ(名前はサンマリノでも,実際はイタリアで開催されている)とオーストリアではないかといわれています。
2002・11・21
○開催日程(Fポン)
・2003年の開催日程が発表されました。それによると,親会社の倒産により存続が心配されているMINEサーキットでのレースも,例年と同じように2回組まれています。中国,四国,九州方面のレースファンにとっては一安心といえるかもしれません。(ただし,GT選手権が開催されるかどうかは,かなり「?」ではないかと思いますが…。まあ,我が大分県のオートポリスという存在もありますけどね。)
日程の発表と同時に,来年のレギュレーションなどについても発表されました。来年から登場する新型シャーシですが,当初の発表どおりローラ製の「B351」が使用されます。かなりF1を意識したもので,サイズでは全幅がF1と同じになっていますし,給油システムなども取り入れられています。GTは相変わらず高い人気を誇っているものの,最高峰といわれているFポンは,深刻な観客減となっています。実際に観に行っても,GTの方は,あまりに観客が多いため,サーキットからなかなか車を出せませんが,Fポンは大きな渋滞もなく出ることができます。マシンの改良,予選方法の変更等の対策を採り,こうした観客減に歯止めをかける必要性がでてきています。
2003年Fポン開催日程 | ||
決勝開催日 | 場 所 | |
第1戦 | 3月23日 | 鈴鹿サーキット |
第2戦 | 4月 6日 | 富士スピードウェイ |
第3戦 | 4月27日 | セントラルパークMINEサーキット |
第4戦 | 6月 8日 | ツインリンクもてぎ |
第5戦 | 7月 6日 | 鈴鹿サーキット |
第6戦 | 7月27日 | スポーツランドSUGO |
第7戦 | 8月31日 | 富士スピードウェイ |
第8戦 | 9月21日 | セントラルパークMINEサーキット |
第9戦 | 10月19日 | ツインリンクもてぎ |
第10戦 | 11月 2日 | 鈴鹿サーキット |
2002・11・20
○ご褒美?(F1)
・今年のFポンチャンピオンに輝いたR.ファーマンに対して,BARからテストへの参加のオファーがありました。このテストは,来月スペインで行われるものです。ホンダ系のPIAA NAKAJIMAから参戦してチャンピオンに輝きましたので,ある意味ホンダからのご褒美なのかもしれませんね。
○洗礼(WGP)
・「連日」というと大げさですが,シーズンが終わって多くのチームのテストの様子が情報として流れています。やはり季節柄スペインやマレーシアでのものが多いです。来年から参加するドゥカティが再びテストをしたようですし,同じイタリアのメーカーであるアプリリアもスペインのヘレスサーキットで3日間にわたりテストを行っています。それにはもちろん来年のライダーである芳賀紀行とC.エドワーズが参加しています。WGPについては初参加となるエドワーズが,テスト初日から転倒というGPの洗礼を受けました。全身を打撲したものの,幸い大きな怪我につながることがなく,無事テストプログラムをこなしました。今回のテストから,ダンロップに代わってミシュランタイヤを装着しての走行となりました。アプリリア&ミシュランという新しい組み合わせが,これからどこまで開発を進めていくことができるか興味のあるところです。
2002・11・19
○政治とのかかわり
・GT選手権最終日で,GT500のチームタイトルを獲得した無限×童夢プロジェクトに対して経済産業大臣杯が授与されました。この賞は杯は,今季から日本モータースポーツの社会的地位の向上,青少年の健全育成,自動車産業の支援のため,4輪のトップカテゴリーであるGT選手権とFポンにつくられたものです。Fポンでは,PIAA NAKAJIMAに授与されています。R2−1では,文部科学大臣杯という冠名称がついてますし,今年はじめにはWGP250ccでチャンピオンを獲得した加藤大治郎に対して文部科学大臣から表彰されたこともありました。というように,国会議員がモータースポーツの普及に向けてアクションを起こしてきています。機械は世界を代表するものをつくり上げているのに,レース自体は未だにマイナーなスポーツとなっている日本ですから,いろいろな立場でその振興に向けて取り組むというのは大変いいことではあります。しかし,あまりに政治が絡んでくることが本当にいいことなのでしょうか?「○○杯」という形で表彰することが,モータースポーツの振興に貢献するとはとても思えませんし,むしろ,土台が不安定なまま,変に格式だけあがったものになってしまいはしないでしょうか?いろいろ考えがありますので,どれがベストだとはいえませんが,変に政治が絡んでくることにある程度の懸念をもっておくことも必要だと思います。
2002・11・18
○初&久々(WGP)
・来シーズンに向け,早くも様々なチームがテストを行っていますが,スズキワークスもマレーシアのセパンサーキットで行いました。S.ジベルナウに代わってスズキワークスに入ったJ.ホプキンスも,もちろんこれに加わっています。彼にとっては,これが初のGSV−Rへの搭乗になります。今回のテストには,ホプキンスだけでなく,もちろんK.ロバーツも参加しています。実は,後もう一人参加したライダーがいます。その人は,元500cc世界チャンピオンK.シュワンツです。ちょっと前からのレースファンにとっては,実に懐かしい名前だと思います。私も,彼の長い手足を利用したあの独特なライディングフォームを久々に見てみたい気がします。
2002・11・17
○逃げ切り(GT)
・GT選手権最終戦の決勝が行われました。レースは,序盤から激しい攻防が見られ,チャンピオンのかかった最終戦にふさわしいレースが展開されました。息詰まる熱戦の末,Mobil1 NSXを駆るR.ファーマン&松田次生組が今季3勝目を獲得。注目のチャンピオン争いは,粘り強く3位に入った脇坂寿一&飯田章組が,最終戦の勝利でランキング2位につけたファーマン&松田組をわずか1ポイント差をつけて栄冠を獲得しました。まさに混戦の2002シーズンを象徴するかのような結末でした。なお,こちらもチャンピオンが決定していなかったGT300クラスですが,最終戦を4位完走したARTAアペックスMR−Sの新田守男&高木真一組が獲得しました。
このGT終了に伴い,国内の主な4輪レースは終了しました。2輪はすでに終了していますし,国外での主なレースもすでに終了済みです。レースファンにとっては,シーズンオフに突入し,これからしばらくはさびしい週末を送ることになります。は〜やく〜 こいこい2003年シーズン!
2002・11・16
○最後の予選(GT)
・GT500,GT300共にまだチャンピオンの決まっていないGT選手権の予選が行われました。GT500は,まだチャンピオンの可能性のあるチームが8チームあります。ですから予選も大混戦。Fポン,GT共にチャンピオンを狙うR.ファーマンが予選終了間際に最速タイムをたたき出しましたが,シケンインをショートカットしたということでそのタイムが抹消。結局脇坂寿一&飯田章組が,今季2度目のポールを獲得しました。なお,GT300クラスは,山野哲也&柳田真孝組がポールを獲得しています。
○イギリスへ
・R2−1やWGPにおいてスズキワークスから参戦している加賀山就臣が,来季イギリスのスーパーバイク選手権に参戦することが決まったようです。イギリスのスーパーバイクといえば帝王C.フォガティーが活躍したこともあって,SBKの中でもトップクラスの集客力があるくらいスーパーバイクが人気のある国です。その分当然レースのレベルも高いものがあります。ここでいい成績を上げることで,念願のWGPフル参戦の道が開けるかもしれません。ぜひ日本人初の英スーパーバイクチャンプ目指して頑張って欲しいものです。
○スリック復活?(F1)
・コース上での順位入れ替えよりも,給油やタイヤ交換のタイミングでの順位の入れ替わりのほうが多くなった最近のF1。観客としては,当然コース上のバトルの方が歓迎できるものです。ですから,当然FIAとしてもそうした場面を増やそうとレギュレーションの変更を様々な角度でしようとしています。そこで検討されているものの一つとして,現在使われている溝つきのタイヤではなく,以前使われていたというか,むしろ最高峰のレースとしては使って当たり前とも言えるスリックタイヤの採用があります。もし採用となれば,2004年からになるようです。観客が楽しめるようなコース上でのバトルを見るために,ドライバーの安全性が確保できるのであれば,ぜひスリックの復活を期待したいものです。
○ロシア人ドライバー(F1)
・オリンピックなどでは,いろいろなスポーツでロシア人はいい成績を上げています。しかし,ことモータースポーツに関してはメジャーな存在とはいえません。ところが今回ミナルディがロシア人のテストドライバーを採用することになりました。その人はS.ズロビンというドライバーで,ロシア最大のガス会社「ガスプロム」がスポンサーにつくことからそういう話に進展していったようです。
2002・11・15
○初テスト(WGP)
・2日間にわたりツインリンクもてぎで行われていたホンダの合同テストに,日本を代表するコンストラクターであるモリワキが開発を進めているMotoGP用マシンMD211VF(名前の由来は,「モリワキ ドリーム 211V ファイター」です。)が初走行を行いました。このマシンは,ホンダのRC211Vのエンジンを,モリワキ独自のシャーシに搭載したものです。当初の噂では,モリワキとWCMとが手を組んでMotoGPクラスに参戦するとの観測でしたが,どうやらその話はなくなってきたようです。というのも,レッドブルというメインスポンサーを失ったWCMが,来季125ccに参戦を開始するKTMとの提携を進めているからです。ということで,モリワキの予定としては,とりあえず2003年はワイルドカードという形での参戦を取るようです。たぶん鈴鹿やもてぎなどで開催されるWGPに参戦していきながら開発を進め,マシンの供給チームを見つけて2004年からの全戦参戦を目指していくことになるのでしょう。
2002・11・14
○チャンス(F1)
・来季ジャガーのシートを失ったイギリス人ドライバーE.アーバインに追い風が吹いてきているようです。12日のこのページでもお伝えしたように,ジョーダンのメインスポンサーであるDHLが撤退しました。残るのは,これまで支援してきたイギリスのタバコブランドであるベンソン&ヘッジス(B&H)となります。このB&Hは,イギリス人ドライバーを採用するとスポンサーマネーを増額する可能性がありますので,資金難に苦しむジョーダンとしてはぜひ手に入れたいもの。さらに,来季からフォードエンジンを使うようになりますが,アーバインは今季フォードの傘下に入っているジャガーに所属していましたから,フォードとのコネクションも抜群。この面でも追い風が吹いているといえましょう。アーバインに追い風となるということは,逆を返せばとりわけ佐藤琢磨にとっては逆風。ドライバーの採用に口出しできるほどのスポンサーはなし。支援を受けていたホンダはジョーダンから撤退。なかなか来季の発表がないので琢磨ファンとしてはいらいらしてきているのではないかと思いますが,さらに不安材料が出てきたといえるでしょう。
○買収(F1)
・存亡の危機に瀕しているアロウズが,ドイツの投資家グループによって買収されたことが発表されました。その影にはアラブ首長国連邦の投資家たちが絡んでいるといわれ,何だか謎めいた買収劇が展開された感じです。実際のチーム運営は,これまで通りT.ウォーキンショーが担当するといわれ,どうやら資金援助だけのものになりそうな気配です。気になるドライバーについてですが,正式な発表はまだありません。もっとも,ドライバーだけでなくチームのメンバー自体がかなりアロウズから離れてしまってますから,スタッフを集めるだけでも一仕事なのかもしれません。ドライバー候補にJ.フェルスタッペンの名前も挙がっています。現在アロウズと今季初めの突然の解雇問題から裁判沙汰になっている関係にあるのに,ドライバー候補になってるのです。F1という世界は,何が何だかよくわからないものですね。
2002・11・13
○心配事(WGP)
・先日,来季のMotoGPクラスにおける体制発表がありました。ライダーについては,かねてから名前があがっていた通り,今季のSBKチャンピオンC.エドワーズとSBKランキング4位に入った芳賀紀行のペアになりました。この2人は,ヤマハが鈴鹿8対を制した時のペアです。強力な2人が入りましたので,今季今一歩の成績しか収めることのできなかったアプリリアが,来季は大化けする可能性も出てきました。ただし,芳賀について心配なことが今回の発表の中にありました。それは,マシン開発と同じくらい大事なタイヤについて。今季のアプリリアは,MotoGPクラスでは少数派のダンロップをチョイスしていました。芳賀がダンロップ使いであることは有名な話。去年芳賀はWGPにレッドブルヤマハから参戦していましたが,あまりいい成績を残すことができませんでした。その大きな原因の一つになっていたのが,ミシュランタイヤと芳賀との相性。ダンロップに慣れ親しんでいた芳賀は,ミシュランタイヤの特性に結局慣れないままシーズンを過ごしたところがありました。今回WGPへ復帰することになり,ダンロップタイヤを採用していたアプリリアを選択したことは,そういった意味で正解ではないかと私は思っていました。ところが今回の発表の中で,タイヤについては,ミシュランを採用するとなっていました。チームなどが違いますから,昨年のことはあまり参考にならないのかもしれませんが,不安材料の一つになるのではないかと思います。
2002・11・12
○開幕当初は(F1)
・今季圧倒的な強さでタイトルを総なめにしたフェラーリのこれからのスケジュールが徐々に明らかになっています。タイヤを中心とした何度かのテストを年内にした後,2月に03モデルのマシンを公開する予定です。開幕戦については,今年と同じように1年落ちのマシンで出場する予定のようです。もっとも,たとえ1年落ちであっても,今年があまりに強すぎましたから,新型マシンの中に入ってもそんなに遜色ない走りができるのではないかと思います。さて,03年型がレースの場で走り始めるのは,第何戦からになるでしょう?そして,名車といわれるF2002を超えるようなマシンが誕生するのでしょうか?
○メインスポンサー撤退(F1)
・2年間にわたりジョーダンのメインスポンサーを務めてきたドイチェポストワールドネットが,今季を最後にF1からの撤退を発表しました。ジョーダンのマシンには,傘下の企業であるDHLのカラーリングでおなじみだと思います。今回の決定は,世界的な不況の中におけるよくあるお話ですが,会社の経営不振によるものです。なお,ジョーダンの新しいメインスポンサーについては,来年2月の2月に行われる予定の新車発表の場で一緒に発表することになっています。来季のジョーダンは,エンジン以外にも新しいものになっていくわけですね。
2002・11・11
○テストチーム結成(WGP)
・来季からフル参戦するカワサキのラインナップは,G.マッコイとA.ピットに決定しています。しかし,20年ぶりのフル参戦で,しかも新型マシンですから,データが一つでも多く欲しいのが事実でしょう。しかし,参戦するチームは1つですから,それもかないません。そこで,テストチームを結成することが決まったようです。ライダーは,今年も開発の中心だった柳川明と,今季数回代役で走ったA.ハフマンが起用されました。まだ具体的な活動は決まってないようですが,何度かワイルドカードでレースに参戦する計画もあるようです。
2002・11・10
○今後のアロウズ(F1)
・今季の後半戦を欠場し続け,資金的にも壊滅的な状況に置かれているのがアロウズ。今のところ参戦の取り止めというような話は出てきていません。しかし,近々新たな問題が生じてきます。F1に参戦する場合は,1年間を通して出場し,さらに前もって1年間のエントリーフィーを払うという条件があります。2003年分のエントリーフィーの支払期限が,11月15日(金)に迫ってきています。金額は20万ポンド(約3800万円)で,支払うことができなければ,当然エントリーは受理されません。資金的に苦しい中,果たして払うことができるのでしょうか?
と思っているところに,新たな噂が浮上してきています。何と,アロウズをアウディが救済するかもしれないのです。アウディといえば,このところルマン24時間で圧倒的な強さを発揮し,向かうところ敵なしの状態です。ブランドイメージをさらに高めるため,F1に参戦しても何ら不思議はありません。現在アウディはフォルクスワーゲン(VW)の傘下に入っています。そして,以前からVWのF1参入は噂としてあがっていただけに,まんざらうそでもないのかもしれません。こちらの動向も興味がもてますね。
○ややこしい(WGP)
・昨日のニュースでプラマックとホンダポンスのジョイントについてお伝えしました。しかし,ここにきてややこしくなる話が浮上してきています。何と玉田誠がMotoGPクラスに参戦するとの情報が出てきました。ということは,ビアッジのチームメイトは玉田ということになります。それじゃあ宇川はどうなる?ところが,宇川は来年も参戦することは間違いないということを彼のHPで書いています。1チーム3名ということはありえませんので,玉田の話はがせネタなのか?いろいろ話をつき合わせてみると,どうやらプラマックとポンスとのジョイントというのは,プラマックがポンスチームのスポンサーとなるというもので,今季原田哲也の所属チームだった「プラマックホンダ」は,ブリヂストンの支援を受けて別個のチームとしてレース参戦を継続するようです。ということで,ビアッジはプラマックからの,そして宇川はHRCからのレンタルという形でミシュランタイヤを履いてポンスから出場することになるのかもしれません。で,玉田は,プラマックホンダからブリヂストンタイヤを履いて出場することになるのでしょう。その場合,たぶん現在ある玉田のHRC契約は解除されるものと思われます。でも,その相棒には誰がなるのでしょう?もしかしてビアッジがプラマックなのかな?そうなると宇川の相棒は?あれれ,訳わかんなくなっちゃったぞ!?体制が判明しだいお伝えしますね。
2002・11・9
○ジョイント(WGP)
・今季原田哲也をライダーに迎えてWGPシーンに新しく参入し,来期はM.ビアッジを擁してRC211Vを駆ることになっているのがプラマック。チーム力としては高いものがあるものの,来期メインスポンサーであるウェストが撤退し,資金的に苦しい立場に追い詰められていたのがホンダポンス。その両チームが,来期手を組んでMotoGPクラスに参戦することが発表されました。互いの弱点を補うなかなかいいジョイントであると思います。ライダーは,もちろんビアッジで決まりですが,まだもう一人のライダーが決まっていません。大方の予想では,加藤大治郎がとっているようなレンタルという形で,HRC契約の宇川徹が相棒につくのではないかと言われています。どちらのライダーも,今季勝利を挙げていますので,サテライトチームと言えども活躍が期待できるのではないでしょうか。
○スズキも完了?(WGP)
・上記のニュースも含め,着々とそれぞれのチーム体制が決まってきています。ワークスチームとしては,唯一決まっていなかったスズキですが,残りの一つのシートに今季WCMヤマハから参戦していたJ.ホプキンスがつくことがほぼ決まったようです。これで,WCMチームは今季契約していた二人のライダーが移籍することになります。来季の参戦体制が不確定だけに,やむを得ない結果なのかもしれません。
○どれを選ぶ?
・今季限りでF1からの引退することが決まっているM.サロですが,どうやらこのままレースシーンからも引退するわけではないようです。ルノーの総帥F.ブリアトーレから,サロのこれまでの経験をかってテストドライバーとして契約したいという申し出を受けているようです。それだけでなく,アメリカのレースシーンであるCARTやIRLのチームからも声をかけられているとのこと。果たして彼はどの道を選ぶのか楽しみですね。
2002・11・8
○新年早々(F1)
・今シーズンは,後半になると徐々にポテンシャルアップができたものの,とりわけ前半はほとんどいいところのなかったジャガー。その反省からか,来シーズンは,現段階においてトップで新型マシンの発表をすることになりました。ようやくお屠蘇気分の抜けてくるであろう1月13日(月)に,イングランドにおいて新型マシンR4の発表会を開くということが発表されました。具体的な会場についてはこれからです。その発表会の数日後には,シェイクダウンを行います。R4はコスワースの90度V型10気筒エンジンが搭載されるようです。発表が早いほどマシンの熟成も早くなりますので,来期は,開幕当初から活躍できることをジャガー(フォード)ファンの人は期待しましょう。
2002・11・7
○2003年モード(WGP)
・スペインのリカルドトレモサーキットで行われたテストのメンバーを見ると,このサーキットだけはすでに2003年に入っている感じです。参加したそれぞれのライダーが,来年乗るマシンにまたがりました。ホンダ勢では,M.ビアッジ,加藤大治郎,S.ジベルナウが走行。なお,今季250ccで加藤と同じグレシーニチームから参戦したR.ロルフォは,NSRではなく,RS250RWでテストしました。ホンダは来期から250ccでのワークス活動を停止しますので,今回市販車ベースのRSになったのではないかと思います。ヤマハ勢では,C.チェカ,O.ジャック,中野真矢と共に,ホンダから移籍のA.バロスも走行しました。新規参入組では,ドゥカティのL.カピロッシが走行。そして,一つの注目を浴びたのがカワサキ。こちらは2人のライダーが走行しました。一人は,今季柳川の怪我を受けて,一足先に実際のレースで走行したA.ピット。そしてもう一人は,WCMチームとの契約をしたはずだったG.マッコイでした。レッドブルというメインスポンサーを失い,資金的に心配な状況になっているWCMチームですし,共に組むはずのモリワキが04年からの本格参戦をほのめかしていますので,このあたりの不安定さがマッコイの心を動かしたのかもしれません。真偽のほどはともかく,来期マッコイがカワサキのマシンを駆ることは,今回のことでほぼ間違いないようです。
○撤退(F1)
・すでに既定の事実として語られていましたが,今季アロウズにエンジンを供給していたアジアテックが,先月末をもって活動を停止したことを発表しました。原因は資金不足だそうです。もっとも,たとえ資金があったとしても,そのエンジンを使おうとするチームがありませんでしたから,結局は撤退せざるを得なかったとは思いますが…。
2002・11・6
○トヨタ決定(F1)
・かねてからほぼ確実な線として噂に上っていましたが,今年のCARTチャンピオンであるC.ダ.マッタが,来期パナソニックトヨタのF1チームへ移籍することが発表されました。契約は2年間です。これで,先に発表されていたO.パニスとのコンビが確定し,トヨタのシートは埋まったことになります。ホンダエンジンを積むBARについては,未だにもうひとつのシートが埋まっていません。果たしてこちらの座には誰がつくのでしょうか?通常ですとJ.ビルヌーブなんですけどね。
○日産が三菱に対抗(パリダカ)
・今年の残りが2ヶ月をきり,一つ一つのレースがシーズンオフを迎えています。しかし,これから本格的な動きが出てくるレースもあります。その中の一つがパリダカールラリー。大方の予想では,今年も優勝の筆頭に上げられるのが三菱のパジェロ。日本車でパリダカと言えばパジェロしか思いつかないくらい,実力ナンバーワンの状態が続いています。この度,日産のパリダカ参戦発表会があり,スーパープロダクション(改造)部門での優勝を目指すことが発表されました。とは言っても,1年目からの優勝が難しいのは明白ですから,4年計画で実行していくということでした。その挑戦の担い手になるドライバーには,二人の優勝経験者が抜擢されています。一人は,パリダカといえばこの人。現役続行を願い,三菱からの引退勧告をけって移籍した篠塚健次郎。もう一人は,パリダカでの優勝ははもちろん,81年に世界ラリー選手権(WRC)でチャンピオンに輝いたことがあるA.バタネンです。バタネンについては,96年以来の参戦となります。この二人のベテランが加わり,これからどのような活躍をするようになるのか,日産にも期待していきましょう。
2002・11・5
○ステップアップ(WGP)
・すでにC.チェカの残留は発表されていましたが,もう一人のライダーが決まっていなかったヤマハワークスが,ようやく来年の体制を発表しました。決まっていなかったもう一人のライダーは,今期250ccチャンピオンに輝いたM.メランドリに決まりました。また,長年メインスポンサーだったマールボロと袂を分かち,代わってどのスポンサーがつくのか注目されていましたが,来年からはスペインのタバコブランドであるフォルトゥーナがつくことになりました。今年は,加藤大治郎が所属しているホンダグレシーニのメインスポンサーでしたが,来期はチームもメーカーも変わることになります。
○どうなる中野(CART)
・中野信治が所属するフェルナンデスレーシングが,来年も引き続いてCARTに参戦することを発表しました。同チームは今年ホンダエンジンを搭載していましたし,中野がホンダ(無限?)系のレーサーということもあって,大方の予想では,ホンダと共にIRLへ鞍替えするのではないかと思われていました。それだけに,今回の発表にはやや驚かされました。今回の決定で気がかりなのは中野の去就。チームがホンダエンジンから離れることが決まったからには,このままだと中野の居場所が苦しくなります。果たして他のホンダ系のチームに移籍するのでしょうか?
2002・11・4
○ダブル復帰(WGP)
・一昨日,加藤大治郎が所属するホンダグレシーニから新たなライダーとメインスポンサーの発表がありました。まずライダーですが,当初の噂どおり今季スズキワークスから参戦していたS.ジベルナウが移籍することになりました。スズキワークスの前は,レプソルホンダから参戦していましたので,久々にホンダ勢に復帰したことになります。メインスポンサーは,同じくスズキワークスをスポンサードしていたスペインの電話会社テレフォニカモビスターになりました。テレフォニカも,以前グレシーニのメインスポンサー(加藤大治郎がWGPにフル参戦を開始した時がそうでした。)をしていましたから,こちらも復帰したことになります。
○シリーズスポンサー(CART)
・力のあるチーム,日本のエンジン,人気のあるレーサーなど多くのものや人が流出し,存亡の危機に瀕しているのがCART。F3000と提携してF1へのステップアップカテゴリーとするというような構想も浮上してきています。そのCARTのシリーズスポンサーにブリヂストンがなるという発表がありました。このため長年シリーズスポンサーをしていた運送会社のFedExは,スポンサーを降りる公算が強くなりました。FedExは,スポンサーとしてだけでなく,マシンや機材などの運送も無償で手がけていましたのでこちらのほうはどうなるのでしょう?もし運送からも撤退となれば,CART側にとっては新たな負担が増えそうですね。
2002・11・3
○フランス人初(WGP)
・最終戦の決勝が行われました。このレースが始まるまで,唯一チャンピオンが決まっていなかったのが125cc。このクラスは,時として大集団で走ることがありますので,ちょっとしたポイント差ですと十分に逆転可能です。ですからランキングトップのA.バンサンも気が気でなかったはず。ところが,そのバンサンを追う立場のM.ポッジャーリが,6周目にあわやコースオフという大きなミスを犯し,トップ集団から大きく水を開けられることになってしまいました。その結果,手堅く走ったバンサンがランキングトップの座を守り,フランス人初の125ccワールドチャンピオンとなりました。日本人勢は,東が18位完走,上田と宇井は共にリタイアと今年を象徴するかのような結果で終わってしまいました。MotoGPクラスは,V.ロッシとのバトルを制したA.バロスが優勝。来季はテック3チームで走りますので,ホンダ車で走る最後のレースに花を添えました。逆に来季ヤマハからホンダにスイッチするM.ビアッジは3位に入り,ランキング2位を争っていた宇川徹が5位に終わってしまったため,2位の座はビアッジが獲得することになりました。なお,カワサキから参戦しているA.ピットが12位に入り,カワサキへ20年ぶりのポイントをプレゼントしました。もちろん,これは彼自身の初ポイントになります。
○チャンピオン決定(R2−1&Fポン)
・鈴鹿2&4レースの決勝が行われました。まず,2輪のスーパーバイククラスですが,レースはやや荒れ気味となりました。章典外ではありますが,トップでチェッカーを受ける可能性の高いスズキのMotoGPマシンが何と2台ともリタイア。結局ヤマハの吉川が3年ぶりのとなる勝利をゲット。2位には僚友の辻村猛が入り,ヤマハのワンツーとなりました。ランキングでは,粘り強く走った渡辺篤がうれしいチャンピオンを獲得しました。来年最高峰クラスとなるJSBクラスは,逆転で山口辰也が獲得しました。続いて行われたFポンの決勝は,本山哲が2位の土屋武士に9秒以上の大差をつけて優勝。しかし,ランキングトップのR.ファーマンが3位に入ったことで,僅か2ポイント差でファーマンが今シーズンのチャンピオンに輝きました。これで今シーズンの全日本クラスのレースは,あとGTを残すのみとなり,レースファンにとっては刻々と寂しい時期に入ってきています。何はともあれ,チャンピオンになった方々おめでとうございます!
○ラストラン(WGP)
・今日のバレンシアGPが,02年の最後のレース。しかし,日本人の中には,「今年最後」だけでなく「人生最後」のWGPとなる人がいます。
まず1人の名は,上田昇。今年は大きな怪我をし,そのため年間を通してあまり活躍できませんでした。ご存知のように125ccは年齢制限があリ,上田のようなベテランは,ランキングが上位でなければ次年度の参戦権を失います。ランキング下位に沈んでいる上田は,250ccへの参戦目指して調整を進めたようですが,なかなかいい体制が組むことができず,今回のレースで引退することを決断しました。91年鈴鹿でのWGPにおいて,デビューレースでのポールトゥーウィンという離れ業を演じて世界のヒノキ舞台に登場した上田。私は,鈴鹿でこのシーンを目の当たりにしました。緑色のカラーが入ったテクニカルスポーツのマシンを駆るライダーが優勝した時,正直言うと「この日本人は誰?」というように私は上田をこのときまで知りませんでした。それだけ衝撃的なデビューだった訳です。その後は,ご存知のように125ccというか,日本人のWGP黄金時代を築き上げていきました。そうした大きな功績があるこの人が引退することは,残念と同時に,世代交代が来た事を改めて感じさせます。
もう1人の名は,原田哲也。天才と謳われ,全日本でチャンピオンを取ったあとWGPへ進出。そのデビューイヤーでL.カピロッシとの争いを制し,見事に250ccの世界チャンピオンの座につきました。その後の活躍は皆さんご存知の通り。今年は,念願のNSRを手にして活躍が期待されましたが,時代は2ストから4ストへ移行。怪我の影響もあって,彼らしい走りが見られないまま最終戦を迎えてしまいました。来年4ストマシンを手に入れるため,いろいろな方面と調整を取ったみたいですが,うまくいかなかったようです。4ストマシンでないとまともなレースが出来ないわけですから,手に入らなければ走る意味を失ってしまいます。特にチャンピオンに輝いたほどの人物ですから,いい体制が組めないと走る訳にはいきません。ということで,原田も今回のレースでWGPを引退することを決意したようです。どちらも素晴らしい戦績を残してきたライダーだけに,引退することが残念で仕方ありません。しかし,誰にもいずれは訪れること。二人には,今日のレースで思い切った走りをして欲しいと思います。
○気がかり(WGP)
・上田&原田の引退も気になりますが,他にも気になることが。阿部典史と中野真矢の来年の去就が決まってません。中野については,来年も今年と同じ体制と思われていたのですが,A.バロスがテック3に移籍することが決定。ということは,中野かO.ジャックのどちらかがはじき出されることになります。テック3はフランスのチームですから,フランス人であるジャックが残るようになるのは明白。ということで,中野がシートを失う羽目に陥ってしまったのです。ヤマハ勢の残るシートは,阿部が所属しているダンティーンチームくらいなもの。それを日本人の阿部と中野が争うことに現段階ではなっています。ただし,ダンティーンに4ストマシンが提供されることはまだ決定していません。果たして二人はどうなってしまうのでしょう?上位争いができる両者だけにどちらか一方がシートを失うことになると,大変もったいない気がします。
2002・11・2
○いよいよ最終戦(WGP)
・今年最後の予選が行われました。唯一チャンピオンが決まっていない125ccでは,チャンピオン争いをしている二人を尻目に,前回のレースでチャンピオン争い圏外に落ちたD.ペドロサがポールを獲得。争っているM.ポッジャーリとA.バンサンは,それぞれ2位と4位につけフロントローを獲得しています。その差も100分の5秒差というように,僅差で争っている二人らしく,予選タイムまで互角の争いを行っています。MotoGPクラスでは,2位争いをしているM.ビアッジがポールを獲得。その相手である宇川徹は,予選7番手とセカンドローからのスタートとなります。果たして,明日笑うのはどちらになるのでしょう!?
○2&4(R2−1&Fポン)
・国内2輪の最高峰R2−1のスーパーバイククラスと国内4輪の最高峰Fポンとが併催で行われるのが2&4。その予選が行われました。スーパーバイクは,プロトタイプクラスの梁明が2戦ぶりにポールを獲得。ヤマハの辻村&吉川が2,3位となっています。チャンピオン争いを展開している玉田と渡辺ですが,予選については玉田に軍配が上がっています。Fポンの予選は,脇坂寿一が前戦に続いてポールを獲得。ここ数戦,脇坂と土屋でポールの獲得のしあいこをしている感じです。チャンピオン争いのファーマンと本山ですが,本山3位,ファーマン4位というように,予選においても激しいポジション争いをしています。2輪も4輪も明日の決勝でチャンピオンが決まります。最後に笑うのは誰になるでしょう。
○KTM参戦(WGP)
・オーストリアを代表するバイクメーカーKTMが,2005年からMotoGPクラスへ参戦することが正式に発表されました。そして,来年は125ccに参戦することも合わせて発表。ライダーは,元125ccチャンピオンのL.ロカテリを起用します。もう一人ライダーを採用する予定なのですが,これについてはまだ決まってないようです。オフロードのレースでは数々の成績を上げているKTMですが,ロードレースについてはこれから。今回の計画を実行するために,H.バートル,W.ウィリングという名チューナーを招聘していますので,KTMのやる気がひしひしと伝わってきます。メインスポンサーは,レッドブルがつきます。ということは,G.マッコイが在籍するWCMチームがスポンサーを失うことになります。モリワキとのジョイントが噂になっていますが,果たして資金的に大丈夫なのかちょっと心配になります。
もう一つ来年から125ccクラスに参戦するメーカーが出ました。それは,イタリア第3位のスクーターメーカーであるマラグーティ社です。エンジンについてはドゥカティの協力を仰ぐようですが,シャーシについては独自で製作するようです。
○ぜひ視聴を(WGP)
・本日NHKの衛星第1で,22:00〜22:49にカワサキのMotoGPマシンの開発を追ったドキュメンタリー番組が放送されます。今回の番組は,新しいマシン開発の初期の段階からの取材です。マシン開発というのは重要な機密事項だけに,今回の番組というのは大変興味深いものであると思います。土曜のこの時間というのは,非常に面白い番組が組まれているだけに,なかなか見づらいとは思いますが,せめてビデオに撮るなりして観て欲しいなと思ってます。それにしても,あのお堅いNHKの2輪レースに対する理解というのは素晴らしいですね。偉いぞNHK!!!(^o^)/~~~
○総入替(F1)
・来年のジャガーのドライバーが発表されました。今年のドライバーであるE.アーバインとP.デ.ラ.ロサの両者とも放出。かわって,ミナルディから参戦していたM.ウェバーとウィリアムズのテストドライバーA.ピッツォニアの2名が抜擢されました。今年何かとチームに対して発言していた現役最年長のアーバイン。でもポイントはちゃんと獲得しました。デ.ラ.ロサは,契約がまだ1年残っています。そうした2人を解雇し,26歳でF1参戦2年目のウェバーと22歳の新人ピッツォニアを獲得。アーバインが,「若い二人で大丈夫?」という趣旨のコメントを出していますが,そうした懸念があるのが分かっていても,今回のような決断をしたジャガー。果たして吉と出るか凶と出るかです。ところで,放出される両者の去就はまだ未定です。アーバインについては,年齢も年齢ですし,何かとお騒がせの部分もありますので,新たなチームが見つからずにそのまま引退するのではないかという観測が強いです。ロサについては,契約が残った段階での解雇ですから,このまま引き下がる訳にも行かないはずです。もしかしたら,訴訟というような行動に出るかもしれません。
2002・11・1
○スパの次は(F1)
・先日,タバコ広告の問題で来年のカレンダーからベルギーのスパフランコルシャンサーキットが外れたことをお伝えしましたが,その他にも04年からですが外れそうなサーキットがあります。というのも,中国の上海が新たな開催地として決まっていますが,その他にも北京やバーレーンも有力な開催地の候補となっています。F1サーカス自体,現在の開催数がぎりぎりの線でしょうから,新たな開催地が増えるということは,その分今の開催地を減らさないといけない事態となります。そうした動きが出てくる可能性があるのが,04年という訳です。現在その第一候補として,ハンガリーのハンガロリンクが上げられています。安全性などの点であまり評判がよくなく,かなりのてこ入れをしないと開催が危うい状況になりそうな気配。まだ1年以上先の話ですが,ちょっと気になる話です。
○メインスポンサー(WGP)
・来年は,メインスポンサーに結構変更があるようです。例えば,既に発表があったものとしてマールボロがヤマハワークスから離れます。そして,これも既に予想として話が出ていたのですが,スズキワークスのスポンサーを3年間続けてきたスペインの電話会社であるテレフォニカが,今年でスポンサーを降りることが正式に発表されました。世界的な不況の折ですから,とりわけプライベートチームはスポンサー探しに四苦八苦している状況ですが,ワークスチームでさえスポンサーを失う状況。果たしてすんなり他のスポンサーが見つかるものなのでしょうか?