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日本国内を中心にして行われているレースの中で最多となる年間およそ50万人近い観客が集まるのが,このスーパーGT(このサイトでは,SGTと表記します。)です。実際には中身は別物ですが,普段の街中で見られる車が,モンスターマシンに変貌を遂げ,毎回激しい争いが展開されていくのがその魅力となっています。 SGTは,GT500とGT300の2つのクラスがあり,GT500クラスに関しては,2014年シーズンからこれまでと大きく変化を遂げることになりました。その変化の大きな要因は,ドイツ国内を中心に行われているDTMシリーズとの連携が図られたことです。コストを削減しながらも,参戦メーカーの増加を図ってシリーズを活性化するため,レギュレーションの共通化という手段がとられた(ただ,DTMの衰退によりDTM側が使用するマシンを変更したため,両者の関係は解消となりました。)のです。まず車体に関してですが,外観はそれぞれのメーカーで違うものの,共通のモノコックをベースにしてつくられています。エンジンに関しては,SFと同じように,これまでは3.4リッターV8自然吸気エンジンでしたが,2014年シーズンから並列4気筒2リッターターボエンジンを使用することになりました。 使用するマシンに関しては,モノコック自体はDTMとの共通となるクラス1規定に基づいたものですが,車両には違いがあります。まずトヨタは,2020年シーズンから使用する車両が変更となりました。それは,新たにフルモデルチェンジして市販が再開されたスープラです。ニッサンに関しても変化があり,長年にわたって使用してきたGT-Rに替え,2023年シーズンからかつて使用した歴史があり,新たにフルモデルチェンジして市場に投入されるフェアレディZがモチーフとなっている『Z GT500』が使用されることになりました。そして,注目は何と言ってもホンダでしょう。昨シーズンまではNSX-GTを使用してきていましたが,今季から新型車両である『CIVIC TYPE R GT』を投入することになりました。他のメーカーがスポーツカーである2ドアのマシンを投入しているのに対し,4ドアのマシンを採用するという驚きの体勢を敷きました。果たしてこれがどのような結果をもたらすのか,マシン開発を含めてその動向が注目となります。 2023年シーズンからSDGsの流れの中でSGTは新たな取り組みを始めました。それは使用する燃料に関してで,これまでのガソリンにエタノールを混合した燃料を使用することになりました。このエタノールはいわゆるバイオ燃料で,これを5%加えた燃料とすることでカーボンニュートラルへの対応を進めていくことになります。今後は,燃料はもちろん,タイヤやオイル等もこうした流れに沿ったものが導入されていくことになるのでしょう。 タイトル争いは,3年連続して最終戦まで持ち込まれました。そして,それを勝ち抜いたのが,坪井翔&宮田莉朋組のau TOM's GR Supraでした。毎回激しいレース展開となりますし,シーズンが進むに連れて重量が加算されるレギュレーションがあったりしますので,ポイント獲得が厳しい状況となるSGTですが,開幕戦こそポイントを獲得することができなかったものの,その後は堅実にポイントを獲得するだけでなく,最終戦の勝利を含めて3勝を挙げ,見事タイトル獲得に至っています。 GT300クラスは,FIA管轄のGTレースで使用されているフェラーリやポルシェ,アウディ,マクラーレンといったFIA-GT3勢と,スバルの人気車であるBRZや,国内のスポーツ系のハイブリッド車であるトヨタのプリウスといったJAF-GT勢との争いが注目点となりました。さらに,2015年シーズンからは主催者であるGTAが音頭を取って開発したマザーシャーシを使用したマシンも登場していて,GT3,JAF-GT,マザーシャーシの3パターンによるバトルとなりました。どれが有利なのかは,性能調整(BOT)によってどちらにも転ぶという状況で,主催者側の判断が重要となってきます。果たして今シーズンはどの車両,どのチーム,どのドライバーがタイトルを獲得するのかが全く予想が立たないだけに注目となります。 |
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