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いわずとしれた4輪の世界最高峰レース。2006年シーズンから使用されてきた2.4リッターV8エンジンが2013年シーズンをもって終了となり,2014年シーズンからは1.6リッターV6ターボエンジンが用いられることになりました。さらに,2013年シーズンまでは"KERS"と呼ばれていたエネルギー回生システムが,2014年シーズンから"ERS"と呼ばれ,その出力が2倍となる120kwhまで高められました。その他エンジンだけでなく,車体をはじめ,エンジン使用基数,カーナンバーの固定化等ハード面,ソフト面の両面でレギュレーションの変更が行われ,新たなスタートを切りました。 その新たなスタートを切った2014年のF1でしたが,そこで圧倒的な強さと速さを見せたのが,メルセデス製のPUでした。特にその中でメルセデスのワークスチームであるメルセデスAMGが圧倒的速さと強さを見せ,このチームでないとチャンピオンになれないのではないかと思われるくらいの状況が続きました。 しかし,各チーム及びメーカーも指をくわえて見ていただけではなく,中でもずっとF1に主軸を置いているフェラーリが開発を進めていき,18年シーズンは,中盤までメルセデスAMGのL.ハミルトンとフェラーリのS.ベッテルとのチャンピオン争いが展開されていきました。ただ,残念ながらシーズン中盤を過ぎてからはマシントラブルやベッテルのミスなどが出てくる状況となってハミルトンが独走状態となり,18年シーズンもハミルトンがチャンピオンとなりました。ただ,メルセデスの独走状態が安泰とは言えなくなってきているのも確かです。 2015年シーズンの目玉となったのが,『マクラーレン・ホンダ』の復活でした。かつてA.セナ&A.プロストの組み合わせでシーズンを圧倒した『マクラーレン・ホンダ』の復活ですから,否が応でも大きな注目点となりました。ところが,蓋を開けてみると,ポイント獲得はおろか,完走さえままならない状況となり,結局10チーム中9位という惨敗に終わりました。マシン開発に制限が加わっていますので,ある程度は予想されていたとはいえ,かつての栄光がありましたから,期待が大きかった分失望も大きくなりました。もちろん,これは私たちだけでなく,チーム及びドライバーはそれ以上のものがあったでしょう。少しはよくなるだろうと期待された2016,2017年シーズンでしたが,どちらも結果を残すことができず,マクラーレンとホンダとの不協和音はより一層高まっていきました。そして,その溝を埋めることは最後までできず,2017年シーズンをもって協力を解消する決断に至りました。マクラーレンとの協力関係を絶ったホンダが次に選んだのが,レッドブルのジュニアチームであるトロロッソでした。ポイント獲得さえままならない状況だったマクラーレン・ホンダの頃と比べるとホンダ製パワーユニットの信頼性と性能が向上し,十分とは言えないものの,ポイント獲得が可能なところまで向上しました。これを受けてルノーとの関係がこじれにこじれていたレッドブルはホンダとタッグを組むことになり,ホンダはついにチャンピオン獲得可能なチームにPUを供給するところまでたどり着くことができました。果たしてレッドブル&ホンダのタッグがどのようなリザルトを残していくのか,私たち日本人にとっても大きな注目点となります ホンダの復帰という日本人にとって明るい話題がありますが,ドライバーに関しては,小林可夢偉のシート喪失により,残念ながら再び日本人ドライバー不在のシーズンが続いています。今度こそは,という思いがないわけではないですが,こちらの可能性はいまだにない状況に変わりありません。世界的流れと同様,国内でもF1人気に陰りが出てきている状況なだけに,こうした点にどう対処していくか,日本のレース関係者の努力が更に必要な事態となっています。とはいえ,可能性が出ているのも事実で,その中の筆頭が昨シーズンSFとSGTでダブルタイトルを獲得したホンダの国内エースドライバーである山本尚貴の存在でしょう。両タイトル獲得の結果,山本はスーパーライセンス発給条件を満たすことになりました。シーズン終了後にF1の現場に足を運ぶというアクションを見せた山本でしたが,残念ながら既にホンダ関連のシートは事実上埋まっていたため,シート獲得には至りませんでした。しかし,来シーズンにはその可能性がある訳ですから,彼の動向が注目となります。また,山本だけでなく,ホンダの育成ドライバーが育ってきていて,今季のレース結果次第ではF1に必要なスーパーライセンスを獲得することができそうな若手ドライバーがいるのも事実です。F1の下位カテゴリーにも,今後注目していく必要性があります。 |
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