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いわずとしれた4輪の世界最高峰レース。日本のメーカーとしては,長年F1に関わってきたホンダ,トヨタ,そしてブリヂストンが撤退してしまい,日本のメーカーはこのF1の表舞台から姿を消してしまいました。さらに,昨シーズン限りで小林可夢偉がシートを失い,ドライバーが誰もフル参戦できないという事態にもなりました。世界的な経済不況の影響をもろに受けた感のある日本のモータースポーツですが,4輪の最高峰でさえもそうした事態となり,さらに冷や水を浴びせる形となりました。ただし,来シーズンからレギュレーションの大幅な変更が実施され,4気筒のターボエンジンが登場することになります。ターボエンジンというと,以前はハイパワーのためのものでしたが,最近では小排気量で必要なパワーが出せることから,環境に優しいツールとして見直しが始まっています。環境問題対応への投資が日本メーカーのF1からの撤退理由になっていましたが,このレギュレーションになれば再び日本メーカーがF1に投資する理由付けがなされます。実際,昨年のシーズンオフには,ホンダがマクラーレンと再びタッグを組むのではないかという噂が出たことがありました。日本メーカー復帰の可能性がないわけではありませんから,期待して朗報を待ちたいと思います。 2011年シーズンに注目を浴びたのが,KERS(エネルギー回生システム)と,リアウィングが一時的に開いて空気抵抗が下がり,その結果最高速がアップするシステムであるDRSでした。特にDRSについては,その効果が疑問視されたものの,蓋を開けてみるとオーバーテイクシーズンが何度も見られるようになり,かなり好評でした。そのため,KERS,DRS共に今シーズンも採用されることになりました。 3年連続してコンストラクターのタイトルを獲得したのがレッドブルでした。エンジンはルノーのため,フェラーリやメルセデスに比べるとやや落ちるのですが,マシン作りの天才であるA.ニューウェイが開発した空力マシンは,その面を克服するほどのマシンを開発し,見事チャンピオンマシンとなりました。レッドブルの黄金期ともいえる状況ですが,その時期を作ったのは,ニューウェイの開発するマシンが優秀なだけでなく,若き天才ドライバーであるS.ベッテルの存在も大きいでしょう。2010年に歴代最年少チャンピオンに輝いた彼は,N.マンセルが持っていた年間最多勝記録を更新し,見事チャンピオンに輝きました。今シーズンも,レッドブル&ベッテルの組み合わせを軸に,マクラーレンのJ.バトン,フェラーリのF.アロンソ,そしてベッテルのチームメイトであるM.ウェーバーとの間でチャンピオン争いが展開するものと思われます。昨シーズンまでマクラーレンに所属してチャンピオンに輝いたこともあるL.ハミルトンは,今季M.シューマッハの引退で空いたメルセデスGPのシートに座ることになりました。ワークスでの参戦となって以降,わずか1勝しか挙げていないチームへの移籍だけに,果たしてチャンピオン争いに絡むことができるのか,この点も注目と言えるでしょう。 |
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