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全日本ロードレース選手権

 日本国内における2輪ロードレースの最高峰,それがこの全日本ロードレース選手権(このサイトでは,JRRで表記します。)です。そのJRRにおける最高峰が,JSB1000クラスです。以前は,メーカー直系のワークスチームのみにタイトル獲得の可能性が実質的にあるという状態でしたが,JSBクラスとなってからワークスの参入が認められなかったため,原則としてプライベーター同士の争いが展開されていきました。しかし,ヤマハがワークス参戦を復活させてから,中須賀克行の国内における圧倒的な強さと速さもあって連続してチャンピオンを獲得する状況となり,他メーカーも対策を考えざるを得ない状況となってきました。そうした状況の中,ヤマハの取り組み方とは別の形でメーカーからのワークスマシンが貸与される状況が生まれてきました。それが,海外メーカーの進出です。これまではホンダ,ヤマハ,スズキ,カワサキといった国内メーカーによる争いが中心でしたが,その中でスズキがレース活動を休止(実際には別の形での参戦を開始しています)したことにより,それまでスズキユーザーであったチームの中から2チームが海外メーカーからの供給を受ける交渉をまとめたのです。形としてはそれぞれのチームで運営するわけですが,マシンとしてはSBKで採用しているワークスマシンの供給を受けることになりました。そのメーカーとは,ドゥカティとBMWで,ドゥカティに関しては2024年シーズンから,BMWに関しては,昨シーズンから採用されています。そして,どちらのマシンもその初年度から速さを見せ,表彰台争いはおろか,先に進出を果たしているドゥカティは優勝,そしてタイトル争いに絡む活躍を見せています。JRRでの熟成が進んできているだけに,今シーズンはさらなる活躍が見られるのではないでしょうか。
 そうした新たな戦いが展開された昨シーズンでしたが,最終的にタイトルを獲得したのは,長年にわたってヤマハのワークスライダーを務めているYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克之でした。2008年に初タイトルを獲得して以後,途中の5連覇を含め,昨シーズンで通算13回目となる最高峰クラスチャンピオンに輝きました。今年の8月で45歳となる中須賀ですが,これまでの経験を活かし,まだまだ活躍できそうな走りを見せています。ただ,確かに超ベテランの味とヤマハのワークスマシンという面がありますが,今季もこのような状況となってしまうのは,他のメーカー,そしてライダー共にある意味「恥ずかしい」ことではないでしょうか。果たして中須賀,そしてヤマハの天下が今季も続くのかシーズンの展開が楽しみになります。
 MotoGP等では,それぞれのライダーが使用するゼッケンは,例えばV.ロッシが46,M.マルケスが93というように固定となっています。以前のJRRでもそれが採用されていましたが,2021年シーズンから前年のランキング順のゼッケンという方法が採られていました。こうすることで,ある程度そのライダーが速いのかがまだライダーのことがよくわからない初心者等の観客にとってはわかりやすいという面もありました。しかし,やはり各ライダーを識別するうえでは,それぞれのライダーの個性が表れたヘルメットなりゼッケンなりが一目瞭然となります。そうしたことから,今季再び固定ゼッケンの制度が復活することになっています。
 2019年シーズンまでは,JSB1000クラスを最高峰とし,中量級クラスにはJ-GP2とST600が,軽量級クラスにはJ-GP3クラスとがありました。その中でJ-GP2クラスはMotoGPのMoto2クラスを視野に入れてのものでしたが,そのMoto2クラスはワンメークエンジンがトライアンフ製となり,このエンジンは日本国内で手に入れることができず,J-GP2クラスの存在意義がなくなってきました。そこで,2019年シーズンをもってこのクラスは廃止となり,2020年シーズンから新たに1000ccマシンで争われるST1000クラスが発足しました。1000ccマシンとなるとJSB1000クラスとかぶることになりますが,新たなST1000クラスは改造範囲がかなり狭くなっていますから,排気量は同じでも戦闘力にはかなりの差がありますので,共存は十分に可能となっています。そうして発足したST1000クラスでしたが,年月が経つにつれてマシンの性能差が出てくるようになっています。そこで,今シーズンから性能差を少しでもなくすため,『コンセッションパーツ』が導入されることになりました。共通パーツが搭載されることで,性能差がある程度までは平均化されることにつながりますので,果たしてどこまでそれが機能するのか注目となります。

《レーススケジュール》
決勝日 サ ー キ ッ ト 開催クラス
第1戦 4月 5日 モビリティリゾートもてぎ JSB1000のみ開催(2&4)
第2戦 4月26日 スポーツランドSUGO 全クラス(JSB1000とST600は2レース)
第3戦 5月31日 オートポリス 全クラス(JSB1000は2レース)
第4戦 6月21日 筑波サーキット J-GP3クラスのみ
第5戦 8月30日 モビリティリゾートもてぎ 全クラス(JSB1000とST1000は2レース)
第6戦 9月27日 岡山国際サーキット 全クラス
第7戦 10月25日 鈴鹿サーキット 全クラス(JSB1000は2レース,MFJ-GP)

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