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全日本ロードレース選手権

 日本国内における2輪ロードレースの最高峰,それがこの全日本ロードレース選手権(このサイトでは,JRRで表記します。)です。そのJRRにおける最高峰が,JSB1000クラスです。以前は,メーカー直系のワークスチームのみにタイトル獲得の可能性が実質的にあるという状態でしたが,JSBクラスとなってからワークスの参入が認められなかったため,原則としてプライベーター同士の争いが展開されていきました。しかし,ヤマハがワークス参戦を復活させてから,中須賀克行の国内における圧倒的な強さと速さもあって連続してチャンピオンを獲得する状況となり,他メーカーも対策を考えざるを得ない状況となってきました。
 ここ数年は,ヤマハのワークスライダーである中須賀克行と,ホンダのワークスライダーである高橋巧とのチャンピオン争いが展開されてきました。しかし,高橋がSBKへと戦いの場を移したこともあり,チャンピオン争いは中須賀と野左根航汰のヤマハ師弟コンビでのものとなりました。そして,大きな成長を見せたのが野左根で,コロナ禍により大幅にレースカレンダーが変更となった中,連勝を飾りました。中須賀も意地を見せて勝利を収めたものの,それを上回る勝利数を野左根が挙げ,見事にタイトルを獲得しました。その野左根は,JRRのタイトルを引っさげて今季はSBKへとステップアップを果たしました。中須賀はこれまでと同様にヤマハワークスからのフル参戦となるでしょうから,タイトル奪還に向けて新たな気持ちで臨むものと思われます。その中須賀に誰が食い下がるのか,新たな展開が期待されます。
 2019年シーズンまでは,JSB1000クラスを最高峰とし,中量級クラスにはJ-GP2とST600が,軽量級クラスにはJ-GP3クラスとがありました。その中でJ-GP2クラスはMotoGPのMoto2クラスを視野に入れてのものでしたが,そのMoto2クラスはワンメークエンジンがトライアンフ製となり,このエンジンは日本国内で手に入れることができず,J-GP2クラスの存在意義がなくなってきました。そのため,2019年シーズンをもってこのクラスは廃止となり,2020年シーズンから新たに1000ccマシンで争われるST1000クラスが発足しました。1000ccマシンとなるとJSB1000クラスとかぶることになりますが,新たなST1000クラスは改造範囲がかなり狭くなっていますから,排気量は同じでも戦闘力にはかなりの差がありますので,共存は十分に可能となっています。その開催初年度は,元GPライダーの高橋裕紀がタイトルを獲得し,初代チャンピオンの栄誉を獲得しました。その高橋は,今季も継続参戦しますが,EWCにおけるホンダのワークス的立場にある『F.C.C. TSR Honda France』に所属してフル参戦をすることにもなっていて,二足のわらじ状態でタイトル防衛に臨みます。
 かつては,「全日本でチャンピオンに輝いて世界へ」という流れがありましたが,今はその流れが全くと言っていいほど見られなくなりました。それと呼応するように,観客動員を含め低迷した状況が続いています。2輪業界は,250ccを除いて販売台数がずっと低迷してきています。それを象徴するかのように,かつては「HY戦争」と言われたホンダとヤマハが,50ccバイクの製造で提携をするという事態にまで至っています。日本の2輪レース界の,さらに2輪販売の活性化のためにも,関係者の努力がより一層必要になってきています。

《レーススケジュール》
決勝日 サ ー キ ッ ト 開催クラス
第1戦 4月 4日 ツインリンクもてぎ 全クラス(JSB1000クラスは2レース)
第2戦 4月25日 鈴鹿サーキット JSB1000クラスのみ開催(2レース),2&4
第3戦 5月23日 スポーツランドSUGO 全クラス(JSB1000クラスは2レース)
第4戦 6月20日 筑波サーキット ST1000,ST600,J-GP3クラス(各2レース)
第5戦 7月18日 鈴鹿サーキット 全クラス(JSB1000クラスは2レース),MFJ-GP
第6戦 9月 5日 岡山国際サーキット 全クラス
第7戦 9月19日 オートポリス 全クラス(JSB1000クラスは2レース)

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