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全日本ロードレース選手権

 日本国内における2輪ロードレースの最高峰,それがこの全日本ロードレース選手権(このサイトでは,JRRで表記します。)です。そのJRRにおける最高峰が,JSB1000クラスです。以前は,メーカー直系のワークスチームのみにタイトル獲得の可能性が実質的にあるという状態でしたが,JSBクラスとなってからワークスの参入が認められなかったため,原則としてプライベーター同士の争いが展開されていきました。しかし,ヤマハがワークス参戦を復活させてから,中須賀克行の国内における圧倒的な強さと速さもあって連続してチャンピオンを獲得する状況となり,他メーカーも対策を考えざるを得ない状況となってきました。
 ここ数年は,ヤマハのワークスライダーである中須賀克行と,ホンダのワークスライダーである高橋巧とのチャンピオン争いが展開されてきました。昨シーズンは,序盤こそ戦闘力を次第に高めてきたCBR1000RR SP2を駆る高橋がシーズンをリードしていきましたが,ヤマハも次第にYZF-R1の戦闘力を高めていってその差を縮めていき,高橋リードで最終戦を迎えました。高橋が有利な状況で臨んだ最終戦でしたが,その最初のレースで高橋が転倒を喫し,再スタートは切れたものの,わずかなポイントしか獲得できず,中須賀が逆転して最終レースを迎えました。実質上勝しか方法がない高橋はその最終レースで勝利したものの,中須賀が堅実に表彰台を獲得し,中須賀が前年に引き続いてチャンピオンを獲得しました。そのような状況で迎えた今シーズンですが,中須賀にとって最大のライバルであった高橋がSBKへとステップアップを果たしました。しかも,その高橋はホンダが満を持してフルモデルチェンジを果たしたブランニューのCBR1000RRを引っさげてのフル参戦です。強力なライバルがいなくなった中須賀ですが,彼のチームメイトである野左根航汰も年々力を付けていき,うかうかとしていられない状況になりつつあります。ただ,ヤマハが充実しているのに対し,ホンダや他のメーカーは戦闘力が見劣りするのも確かです。果たしてどのような新たな展開がなされていくのか注目です。
 昨シーズンまでは,JSB1000クラスを最高峰とし,中量級クラスにはJ-GP2とST600が,軽量級クラスにはJ-GP3クラスとがありました。その中でJ-GP2クラスはMotoGPのMoto2クラスを視野に入れてのものでしたが,そのMoto2クラスが昨シーズンからワンメークエンジンがトライアンフ製となり,このエンジンは日本国内で手に入れることができず,J-GP2クラスの存在意義がなくなってきました。そのため,昨シーズンをもってこのクラスは廃止となり,新たに1000ccマシンで争われるST1000クラスが発足することになりました。1000ccマシンとなるとJSB1000クラスとかぶることになりますが,新たなST1000クラスは改造範囲がかなり狭くなっていますから,排気量は同じでも戦闘力にはかなりの差がありますので,共存は十分に可能となっています。
 かつては,「全日本でチャンピオンに輝いて世界へ」という流れがありましたが,今はその流れが全くと言っていいほど見られなくなりました。それと呼応するように,観客動員を含め低迷した状況が続いています。2輪業界は,250ccを除いて販売台数がずっと低迷してきています。それを象徴するかのように,かつては「HY戦争」と言われたホンダとヤマハが,50ccバイクの製造で提携をするという事態にまで至っています。日本の2輪レース界の,さらに2輪販売の活性化のためにも,関係者の努力がより一層必要になってきています。

《レーススケジュール》
決勝日 サ ー キ ッ ト 備考
第1戦 8月10日 スポーツランドSUGO
第2戦 9月 6日 岡山国際サーキット (台風のため開催中止)
第3戦 9月20日 オートポリス
第4戦 10月18日 ツインリンクもてぎ
第5戦 11月1日 鈴鹿サーキット MFJ-GP

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