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もじどおり2輪における世界最高峰のレースが,このMotoGP世界選手権。さらにその中の最高峰クラスが,4サイクルマシンで争われるMotoGPクラスです。以前は,2サイクル500ccマシンで争われていましたが,02年から現在の4サイクルマシンに変更。それ以来5年間は990cc未満の4サイクルエンジンで,07年シーズンからは800ccというレギュレーションで行われてきました。しかし,12年シーズンからは,再び新たなレギュレーションの適用となり,排気量がアップされて1000ccマシンによるバトルが展開されました。また,参加台数の増加やコスト削減等をにらんで,MotoGPクラスとは別にCRT(クレイミング・ルール・チーム)というものが始まり,これは,シャーシはレース専用ですが,市販エンジンを改良して搭載したマシンで争われるものでした。開催初年度ということもあって,MotoGPクラスとCRTクラスとではマシン差がかなりありましたが,シーズンが進むにつれ,その差が徐々に縮まっていきました。そして,2014年シーズンからは共通ECUが導入され,レギュレーション上は基本的にこのECUを搭載したマシンを走らせるのが原則となりました。ただ,メーカー側は,マシンだけでなく,ECUも含めたマシン開発が大事ということで全車が共通ECUを搭載しなければならないということに反対。こうした結果,共通ECUを使用しないいわゆるワークスマシンを使用するのが「ファクトリー」という新たなクラスとなりました。メーカー側はただ反対しただけでなく,共通ECUを搭載したマシンも開発していきました。この結果,ホンダはワークスマシンであるRC213Vをベースに開発した市販車マシンである「RCV1000R」を供給。ヤマハはホンダとは違う形をとり,ワークスマシンYZR-M1で使用しているエンジンを供給し,シャーシ自体はFTRといったコンストラクターが開発及び供給するというものになりました。そして,一昨年シーズンまでのCRTクラス用マシンも含め,共通ECUを搭載したマシンで争うクラスを,CRTを発展的解消した「オープン」というクラスであらたに登場しました。その共通ECUについてですが,今シーズンからクラスを問わず全てのチームが使用することになり,新たな展開を迎えることになります。 リーマンショック以後,2輪,4輪問わずメーカーの撤退が目に付きましたが,景気回復と共に再びメーカーが参戦を復活させてきていますが,MotoGPでもその傾向が昨シーズンから見られるようになりました。それまでは,ホンダ,ヤマハ,ドゥカティの3メーカーが正式にマシンを供給していましたが,昨シーズンから再びスズキとアプリリアが参戦することになりました。スズキは,以前のようにメーカー直系のチームからの参戦という形を採り,アプリリアに関しては,それまでずっとホンダのサテライトチームとして結果を残してきたチーム・グレシーニをワークスチームとして起用しました。復活2年目となり,しかも共通ECUを使用することにもなりますので,各社の力が拮抗してくる可能性がありますので,さらにおもしろいシーズンとなりそうです。 ここ数年間は,J.ロレンゾとV.ロッシのヤマハ勢,M.マルケスとD.ペドロサのホンダ勢という4強時代に突入しています。今シーズンもその4人を中心にして進むことは間違いありません。昨シーズンは,ホンダの不調,そしてヤマハの絶好調ということがあって,ロレンゾとロッシというヤマハワークスライダーによるチャンピオン争いとなりました。最終戦までもつれ込んだタイトル争いでしたが,そこに大きな波紋を投げかけたのが,ロッシとマルケスの衝突でした。シーズン途中でも両者は接触があったりして物議を醸しましたが,チャンピオン争いが活況を迎えるている時に,ロッシがマルケスに対して「同国であるロレンソを助けている。」という趣旨のコメントを発信。これが的を射ていたのかはともかく,マルケスの心に火をつけたことは間違いなく,さらに両者の対立が深刻化し,最終戦前のマレーシアGPでの接触事故へと発展しました。この接触によりロッシは最終戦で最後尾からスタート。結局ロレンソが優勝したことによりタイトル争いに決着が付いて,最終戦で逆転タイトルをロレンソが獲得するという事態となりました。もちろん年間を通してロレンソがその力を十分に発揮したことによるものが多いのですdが,ロッシとマルケスと確執が大きな影響を与えたことは間違いなく,ロレンソのタイトル獲得に大きな影を残しました。今シーズンはそうしたことがなく,すっきりしたチャンピオン争いとなることを期待したいと思います。 2輪のレース界は,環境問題への対応から4サイクル化の波が押し寄せていて,最高峰クラスだけでなく,2010年シーズンからは中量級クスが,そして2012年シーズンからは,軽量級クラスも4サイクルエンジンを使用することになり,中量級クラスがMoto2クラス,軽量級クラスがMoto3クラスへと名称が変更になりました。それらのクラスは,エンジンとタイヤはワンメークですが,シャーシはレギュレーションさえ満たしておけば参戦は自由となったため,何種類ものコンストラクターがマシンを供給し,フルグリッドとなる盛況を見せています。 なお,中量級クラスにフル参戦している中上貴晶は,一昨年シーズンから『イデミツ・ホンダ・チーム・アジア』に所属しています。このチームは,ホンダの支援を受けて元GPライダーの『タディー』こと岡田忠之が監督を務めて設立したものです。「オール・ジャパン」として期待されたコラボでしたが,残念ながらその初年度はトップ争いはおろか,時にはポイント獲得さえもままならない状況でシーズンを終えてしまいました。2年目となる昨年も,シーズン序盤は思うような結果が残せませんでしたが,次第に本来持つ力を出せるようになり,まずは予選でトップ10に入るようになり,それが決勝レースでも同様の結果へと繋がるようになり,サンマリノGPでは,久々に表彰台を獲得しました。現在最高峰クラスにおける日本人ライダー不在という状況が続いていますが,今シーズンはコンスタントに表彰台争いに絡むようになり,来シーズンからチーム及び中上が最高峰クラスへとステップアップを果たすことへと繋がる重要なシーズンとなります。 |
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