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もじどおり2輪における世界最高峰のレースが,このMotoGP世界選手権。さらにその中の最高峰クラスが,4サイクルマシンで争われるMotoGPクラスです。以前は,2サイクル500ccマシンで争われていましたが,02年から現在の4サイクルマシンに変更。それ以来5年間は990cc未満の4サイクルエンジンで,07年シーズンからは800ccというレギュレーションで行われてきました。しかし,12年シーズンからは,再び新たなレギュレーションの適用となり,排気量がアップされて1000ccマシンによるバトルが展開されました。また,参加台数の増加やコスト削減等をにらんで,MotoGPクラスとは別にCRT(クレイミング・ルール・チーム)というものが始まり,これは,シャーシはレース専用ですが,市販エンジンを改良して搭載したマシンで争われるものでした。開催初年度ということもあって,MotoGPクラスとCRTクラスとではマシン差がかなりありましたが,シーズンが進むにつれ,その差が徐々に縮まっていきました。そして,今シーズンからは共通ECUが導入されることになり,レギュレーション上は基本的にこのECUを搭載したマシンを走らせるのが原則となりました。ただ,メーカー側は,マシンだけでなく,ECUも含めたマシン開発が大事ということで全車が共通ECUを搭載しなければならないということに反対。こうした結果,共通ECUを使用しないいわゆるワークスマシンを使用するのが「ファクトリー」という新たなクラスとなりました。メーカー側はただ反対しただけでなく,共通ECUを搭載したマシンも開発していきました。この結果,ホンダはワークスマシンであるRC213Vをベースに開発した市販車マシンである「RCV1000R」を供給。ヤマハはホンダとは違う形をとり,ワークスマシンYZR-M1で使用しているエンジンを供給し,シャーシ自体はFTRといったコンストラクターが開発及び供給するというものになりました。そして,昨シーズンまでのCRTクラス用マシンも含め,共通ECUを搭載したマシンで争うクラスを,CRTを発展的解消した「オープン」というクラスであらたに登場することになりました。 2012年シーズンまでの数年間は,J.ロレンゾ,C.ストーナー,D.ペドロサの「3強」によってチャンピオン争いが展開されてきました。ところが,2012年シーズンをもって引退するという事態となりました。そのストーナーの抜けたシートに座ったのが,2012年シーズンにMoto2クラスチャンピオンに輝いたM.マルケスでした。そのマルケスにとって最高峰クラス初年度となる2013年シーズンは,ロレンゾとペドロサの二人が中心になってチャンピオン争いが展開されるものと思われていました。そして,それにマルケスと,再びヤマハに復帰してきた元王者のV.ロッシがどう絡んでいくかが注目点となっていました。ところが,シーズンが進むにつれてマルケスのポテンシャルの高さが一段と発揮されるようになり,何と『キング・ケニー』の異名をとったかつての王者であるK.ロバーツ以来となるルーキーシーズンでのチャンピオン獲得という偉業を成し遂げました。今シーズンは,再び2012年シーズンまでと同じく,シーズン当初から「3強」によるチャンピオン争いということになることは間違いないでしょう。 今シーズンから始まる「オープンクラス」については,私たち日本人にとっては,何と言っても最高峰クラスに復帰して2年目となる青山博一の活躍でしょう。昨シーズンは,「アビンティア・ブルセンス」からCRTクラスにフル参戦した青山でしたが,セカンドライダーという立場もあって,ほとんどパーツが届かず,まともにマシンを走らせることが厳しい状況の中でのシーズンとなりました。それに対して,今シーズンは,CRTクラスでタイトルを獲得したパワー・エレクトロニクス・アスパーに移籍。チームメイトが元MotoGPクラスチャンピオンであるN.ヘイデン,使用するマシンがRCV1000Rというオープンクラスとしてはとてもいい環境の中でシーズンを戦うことになりました。 2輪のレース界は,環境問題への対応から4サイクル化の波が押し寄せていて,最高峰クラスだけでなく,2010年シーズンからは中量級クスが,そして2012年シーズンからは,軽量級クラスも4サイクルエンジンを使用することになり,中量級クラスがMoto2クラス,軽量級クラスがMoto3クラスへと名称が変更になりました。それらのクラスは,エンジンとタイヤはワンメークですが,シャーシはレギュレーションさえ満たしておけば参戦は自由となったため,何種類ものコンストラクターがマシンを供給し,フルグリッドとなる盛況を見せています。なお,昨シーズン中量級クラスにフル参戦し,シーズン中盤までは表彰台争いを展開する走りを見せた中上貴晶が,引き続いてこのクラスへフル参戦してチャンピオン争いに加わることが期待されます。しかも,彼が所属するのは,昨シーズンからこのクラスにフル参戦を開始したチームである『イデミツ・ホンダ・チーム・アジア』です。このチームは,ホンダの支援を受けて『タディー』こと岡田忠之が監督を務めて設立しましたものです。 |
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