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| もじどおり２輪における世界最高峰のレースが，このＭｏｔｏＧＰ世界選手権。さらにその中の最高峰クラスが，４サイクルマシンで争われるＭｏｔｏＧＰクラスです。以前は，２サイクル５００ccマシンで争われていましたが，０２年から現在の４サイクルマシンに変更。それ以来５年間は９９０㏄未満の４サイクルエンジンで，０７年シーズンからは８００ccというレギュレーションで行われてきました。しかし，昨シーズンからは，再び新たなレギュレーションの適用となり，排気量がアップされて1000ccマシンによるバトルが展開されました。また，参加台数の増加やコスト削減等をにらんで，MotoGPクラスとは別にCRT（クレイミング・ルール・チーム）というものが始まり，これは，シャーシはレース専用ですが，市販エンジンを改良して搭載したマシンで争われるものです。開催初年度ということもあって，MotoGPクラスとCRTクラスとではマシン差がかなりありましたが，シーズンが進むにつれ，その差が徐々に縮まっていきました。来シーズンからは共通ECUが導入される予定など，さらに差が縮まる可能性があります。その前年である今シーズンがどうなるのか，これも注目点の１つです。 ここ数年は，王者Ｖ．ロッシを筆頭に，Ｊ．ロレンゾ，Ｃ．ストーナー，Ｄ．ペドロサの「４強」と呼ばれている４人によってチャンピオン争いが展開されてきました。ところが，そのロッシがドゥカティに移籍してからは，ロッシがマシンとのマッチングに苦しみ，表彰台に立つことさえ厳しい状況に追い込まれました。それに対して，残りの3人は着実に結果を残していき，一昨年はストーナーが，昨年はロレンゾがチャンピオンに輝きました。ペドロサはいまだに最高峰クラスでチャンピオンにはなっていないものの，昨シーズンは自己最多勝利数をマークするという好調さを見せました。その3強時代がしばらく続くものと思われていましたが，ストーナーが電撃とも思える形で昨シーズン限りで引退してしまいました。ところが，ドゥカティで不振を極めていたロッシが，再びヤマハに戻ることになり，ヤマハのワークスチームは2010年シーズン以来となるロレンゾ＆ロッシという組み合わせに戻りました。数々の栄冠を手に入れたロッシ＆ヤマハの組み合わせ復活により，ストーナーが抜けてしまったものの，3強という形でシーズンが進む可能性が高くなりました。その最高峰クラスですが，昨シーズンは日本人ライダーが誰もいないという状況になってしまっていました。しかし，MotoGPクラスではないものの，CRTクラスに最後の250ccクラスチャンピオンである青山博一が戻ってくることになりました。昨シーズンはMotoGPでのシートを失い，SBKに戦いの場を移しました。しかし，マシンとのマッチング等に苦しみ，期待された結果を残すことができないままでした。1年ぶりに彼本来の場とも言えるMotoGPにもどってきましたので，CRTクラスでの上位争いができることを期待しましょう。 ２輪のレース界は，環境問題への対応から４サイクル化の波が押し寄せていて，最高峰クラスだけでなく，2010年シーズンからは中量級クラスが，そして昨シーズンからは，軽量級クラスも４サイクルエンジンを使用することになり，中量級クラスがMoto2クラス，軽量級クラスがMoto3クラスへと名称が変更になりました。それらのクラスは，エンジンとタイヤはワンメークですが，シャーシはレギュレーションさえ満たしておけば参戦は自由となったため，何種類ものコンストラクターがマシンを供給し，フルグリッドとなる盛況を見せています。なお，中・軽量級クラスへは日本人ライダーのフル参戦が決定していて，Moto2クラスは昨シーズンと同じく高橋裕紀と中上貴晶がフル参戦し，Moto3クラスへは渡辺陽向が自身初となるフル参戦をします。昨シーズン自身初となる最悪のシーズンを過ごした高橋ですが，今シーズンは，元GPライダーで，GP引退後もホンダで開発ライダー等を務めているタディーこと岡田忠之がそのホンダの支援を受けて立ち上げた新チームである「ホンダ・アジア・チーム・タディ」から参戦します。同チームが駆るのが，日本を代表するコンストラクターであるモリワキ製のマシンのMD600です。同マシンは，Moto2クラス初年度のチャンピオンマシンですし，高橋自身ホンダ・グレシーニに所属していた時に駆っていたマシンでもあります。このところ戦闘力を失っていることも事実ですが，高橋にとっても，モリワキにとっても復活に向けていい結果が出ることを期待しましょう。 |
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