もじどおり2輪における世界最高峰のレースが,このMotoGP世界選手権。さらにその中の最高峰クラスが,4サイクルマシンで争われるMotoGPクラスです。以前は,2サイクル500ccマシンで争われていましたが,02年から現在の4サイクルマシンに変更。それ以来ずっと990t未満の4サイクルエンジンというレギュレーションで行われてきました。しかし,来シーズンから800ccエンジンに変更することが既に決定していますので,現行のエンジンは,今シーズンが最後ということになります。
今世紀に入って,最高峰クラスは,全て王者V.ロッシがチャンピオンを獲得してきました。昨年は,全17戦中11勝という圧倒的な強さで最高峰クラスV5を成し遂げ,まさにロッシの黄金時代を築いています。ただ,昨シーズンの後半戦を見ると,ブリヂストン&ドゥカティというタッグで,L.カピロッシが2連勝を挙げました。また,地元アメリカで念願の初勝利を挙げたホンダワークスの若きエースであるN.ヘイデンは,表彰台の常連になってきています。そして,昨シーズンヤマハからホンダに移籍した,もう一人の若きライダーM.メランドリが,最後の2戦を連勝で飾りました。今シーズンからは,250ccクラスで2年連続チャンピオンを獲得したD.ペドロサが,ホンダワークスチームからついに最高峰クラスへステップアップを果たしました。その他,メランドリと同じようなパターンで,T.エリアスもホンダのRC211Vを手にしました。こうした若い世代だけでなく,ベテラン勢を見ると,これまでロッシとの激しいチャンピオン争いをしてきたS.シベルノーは,ホンダのサテライトチームから離脱し,ドゥカティのワークスチームに移籍しましたので,常に最新型のマシンで走ることができる環境となりました。ただ,同じベテラン勢では,これまで最高峰クラスを支えてきたM.ビアッジやA.バロスが,ついにシートを失うという結果となり,世代交代の波が確実に押し寄せてきたことを実感させる事態となりました。それだけに,ロッシが今シーズンのチャンピオンを獲得することは,これまで以上に困難が予想されます。ヤングジェネレーションによる戦国時代に突入し,今シーズンも見ごたえのあるレースが展開されていくことでしょう。 |