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                                                 県民の願いや声を県政に 原田孝司

原田孝司ホームベージ


自分や社会がどう向き合うのかを問われる問題
 
春風の心地よい季節になりましたが、みなさんお健やかにお過ごしのことと存じます。
 さて、私は県議会のある県庁に行くときは基本的に自家用車ですが、バスや電車もよく利用します。バスや電車が好きというよりは、車の運転があまり好きじゃないことも理由の一つです。バスや電車の中で外の景色を見るよりも、通勤をされている方や学生の方々の様子を眺めています。
 バスや電車に乗った際に、若い方が優先座席に座っているのを見ると、とても違和感を感じます。もちろん、優先座席を必要とする高齢者や障がい者の方々が乗車してきたら譲るつもりで座っているのでしょうが、健康な若い方ははじめから座るべきでないと私は考えているからです。

 今年の1月のことですが、毎日新聞に「電車内の優先座席 恥ずべきシステムでは?」というインパクトのある見出しのコラムが掲載されていました。書かれたのは、タレントの松尾貴史さんです。とても気になったのでファイルを保存していましたので、ここで引用させていただきます。
「電車内の優先座席 恥ずべきシステムでは?」
 ガラガラに空いているというわけではないのに、「優先座席」に空席がある。私は優先座席と指定されている椅子でも、そうでない椅子でも空いていれば同じように座るし、短距離ならば座らないことが多い。
 そもそも優先座席というものが必要な社会というのは、どうにも納得がいかない。誰かが見張っているわけでも、譲ってもらうべき人物だという明確な線引きがあるわけでもないのに、まるで「制度」であるかのような体裁で設置されていることに違和感を覚える。
 こうと書いておかなければ、他の座席でも優先して座ってもらうべき人が座りにくい社会を前提としている時点で、私たちの社会は敗北している。「そういう表示がなければ譲らない人がいる。しかし書いておけば少しは効果がある」というのであれば、全ての座席を「優先座席」にすべきだろう。
 (中略)
 そもそもは、どこの座席でも当たり前のように、体が不自由な人や、けが人、お年寄り、妊婦、幼児を抱いている人らが座席を譲ってもらえる社会を作るべきだろう。
 (中略)
 「優先座席」という恥ずかしいシステムがなくとも、全ての座席についてそうあることができる社会になってほしいというだけなのだ。
       2018年1月28日 毎日新聞 「松尾貴史のちょっと違和感」より引用
(文中、立川談志さんの話が出てきますが、長くなるので残念ですが略させていただきました。) 

 私は、優先座席を「恥ずべきシステム」とは考えていません。しかしながら、松尾さんが言われる「優先座席がなくても譲り合うことのできる社会の実現こそが必要」という考えにはとても共感します。

 大分県では、一昨年の春に、全ての県民が障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現し、誰もが心豊かに暮らすことができる大分県づくりに資するために「障がいのある人もない人も心豊かに暮らせる大分県づくり条例」を議会で全員の賛成で制定しました。
 さらに、条例の推進と進捗状況について協議するために、議会に「障がいのある人もない人も心豊かに暮らせる県づくり特別委員会」という特別委員会を設置し、私も参加しています。
 3月28日(水)、この特別委員会では、条例の制定に取り組んでこられた「だれもか安心して暮らせる大分県をつくる会」の共同代表である弁護士の徳田靖之さんと、大分看護科学大学准教授の平野 亙さんからお話をお聞きしました。お二人は、合理的配慮ができていない実態や行政の形式的と思える取り組みを指摘されました。お話は、本当に心を揺さぶられるものでした。

 自宅に帰り、メモしたノートを読み返していると、ふと前述の松尾さんのコラムを思い出しました。この条例は本当に必要だと思いますが、逆の読み方をすれば、まだまだ差別があるから条例が必要なのだと言えます。
 この条例で問われているのは、社会の有り様(ありよう)であり、自分自身ではないかと思えてきたのです。もちろん、私は差別をする人間ではないと自分自身で思っていますが、差別心が全くないかと問われれば自信がありません。この条例は、障がいのある方やいろいろな方々、さらには社会の様々な偏見に対して、自分や社会がどう向き合うのかを問われているのではないかと思えるのです。
 優先座席のように、この条例が必要でなくなる社会になってほしいと考えます。

2018年 4月 1日
               大分県議会議員 原 田 孝 司

 最終更新日 2018年 4月14日




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