平成18年8月1日発行 第38号


福祉フォーラムIN別杵速見連続セミナー


「住みやすい生活空間を求めて」


昨年に引き続き今年度第1回目の福祉フォーラムが8月5日(土)に別府大学にて、行われました。

まず基調講演として、当事者であり長年にわたってバリアフリーについて調査を行っている倉富隆則氏、太陽の家事 業部の小田博道氏による「九州地区公共交通機関バリアフリーの状況」についての講演がありました。

今年、策定された新交通バリアフリー法では新設の旅客施設にはエレベーターなどの設置が定められたことや、駅の バリアフリー化の状況など資料を使って説明がありました。バリアフリー化の有効な策としてホームの嵩上げがあり 、電車との段差が減り、車椅子でも一人で乗り降りが可能となります。大分県では中津駅のみ嵩上げをしてますが、 エレベーターはなく、車椅子でホームまで行くことが困難です。エレベーターと嵩上げはワンセットで、嵩上げはバ リアフリーにとても有効でかつ、ベビーカーや老人にも優しいユニバーサルデザインと言えるということでした。

一方、バスではノンステップバスが段差が少なく利用しやすいのですがが、費用が2100〜2400万円とかかり、大分県 での普及率は1075台のうち1台のみで、全国で46位です。たった1台のノンステップバスも路線が決まっておらず、 利用ができない状況にあります。第2部のディスカッションでは、鈴木義弘氏(大分県ユニバーサル委員会委員、大 分大学工学部助教授)、河野龍児氏(自立支援センターおおいた)、助言者として倉富氏、小田氏が参加しました。鈴木 氏からは、「生活環境のデザイン 望まれるまちづくり」として、海外の例が紹介されました。フィンランドの道路で は歩行者が段差なしで通行できるよう、横断歩道と歩道の高さが一緒に作られていることや、ヨーロッパでは駅にエレ ベーターが設置されており、電車に自転車やペットを持ち込むことが可能です。 

     住宅問題については、障がいのある人たちだけではなく、日本全体の抱える問題であるということでした。

河野氏からは、バリアフリーの調査を行っているが、5年経っても変化がない。大分〜鳥栖間で、身障トイレ付きの電 車が新設されたが、車椅子で駅を利用できなければ電車を使えない。電車に乗ったとしても、車椅子席が空いていなけ れば、通路で人を避けながら利用しなければならない。そして別府駅でもエレベーターの新設予定であるが、ストレッ チャーの人は乗れないサイズが検討されているということでした。

まとめとして、倉富氏は別府駅周辺のバリアフリー化事業、大分駅周辺の高架化事業を控えて何年も前から県や市など に資料を提出し、バリアフリー化を訴えてこられています。

 「今までは人口の多いところから、バリアフリー化など が進められてきました。大分は今まで文句を言う人が少なかったのではないか、当事者が声をあげなければならない」 という言葉がありました。日豊本線のエレベーター設置状況調査では、福岡県から大分県に入ると激減するため、資料 を見て驚いた参加者も多かったようです。今回のフォーラムを通して、多くの問題が明らかにされました。

障がいのある方のみならず、私たち誰もが年を取っていく中で、これらのことを我々一人一人の問題として、捉えて考 えることが必要になってくると思います。今後も連続セミナーとして行なわれます。次回は12月に予定しています。ぜ ひ、ご参加下さい。      

 相談員 (矢野)