

平成18年3月1日発行 第35号
デイとヘルパーのサービスはどうなる
障害者自立支援法がいよいよ4月から施行されます。4月1日からはヘルパーやデイサービス費用の1割負担が始まることで、減
免の申請や利用料の銀行振り込みの手続きなど皆様のお手を煩わして申し訳ありません。利用料の定率負担についてはいろいろな
ところで言われてきました。いくらになるのか不安も大きいことと思いますが、今回は、この10月から本格施行される障害者自
立支援法で障がいのある人の福祉はどうなるのか、特に「ほっと」のデイサービスとホームヘルプサービスはどうなるのかについ
て考えます。
デイサービス
デイサービスはこの4月からは「障害者デイサービス」となり、10月からは無くなります。そのため新しいサービス体系をとら
なければなりません。今利用されている人たちに引き続き利用して頂くには日中活動系サービスの「生活介護」と「生活訓練」の
二つが考えられます。
「生活介護」は常時介護を必要とする障がいのある人に、食事や入浴や排泄の介護と日常生活上の支援をし、軽い作業や創作的活
動の機会を用意します。そして、これらをとおして身体や日常生活の力を維持し向上することを目的としています。今「ほっと」
で行われているデイサービスと重症心身障害者通園の内容とほぼ同じです。ですからこのまま「生活介護」施設に移れば良いと思
うのですが、そうはいかないのが今回の障害者自立支援法です。
サービスを利用できなくなる人が出てきます。「生活介護」施設を利用できるのは障害程度区分(1から6まであります)の3以
上とされています。50歳以上の人は障害程度区分2以上で利用できますが、それより若い人で障がいの軽い人(障害程度区分1
〜2の人)は利用できなくなります。
そこで考えられるのが「自立訓練」の中の「生活訓練」です。
「生活訓練」は食事や家事などの生活の力を高めるための支援をしたり、日常生活上の相談や就労へ向けた支援をします。これに
は障害程度区分による制限はありません。訓練の必要が認められれば障がいの程度が軽い人も利用できます。しかし、長い期間利
用することはできません。標準で2年間とされています。2年間で出なければならないのです。
今回の障害者自立支援法を見ていますと、重い障がいのある人への支援策は見えてくるのですが、日常の生活に介護を必要としな
い人、特に知的障がいや精神障がいがあり食事や歩行が自分でできる人への支援策はあまり見えません。自活、就労へ向けて追い
立てる印象がぬぐえません。就労を目的にすることは大切なことではあります。しかし、そこまで到達するのは難しくまだまだ支
援を必要としている人が大勢います。その人達への支援のありようは見えないのです。
問題はありますが、このような形にデイサービスは移行します。「生活介護」と「生活訓練」を合わせた「多機能型施設」が20
人、そして「重症心身障害者通園」が5人でスタートすることを予定しています。
ホームヘルプサービス
ヘルパーを派遣するサービスは「居宅介護」です。「居宅介護」は、文字通り利用する人の住んでいる居宅で、入浴や排せつや食
事の介護、調理や洗濯や掃除などの家事、生活に関する相談を受けたり生活全般にわたる援助をすることとされています。
居宅以外で利用できるのは「外出介護」ですが、これは10月からはなくなります。10月以降も利用できるのは、「行動援護」
、「重度訪問介護」、「重度障害者等包括支援」ですが、これらは重い行動障がいや重い身体障がいがあると判定を受けた人が対
象となります。利用できる範囲が決められています。
「居宅介護」も10月からは、1回の利用時間が身体介護では3時間、家事援助では1時間半とされ、市が特別に認めた人でなけ
ればそれ以上の「給付」がされません。
今、多くの子どもたちが放課後や学校が休みの時にヘルパーを利用していますが、今後このような利用は難しくなります。何をこ
れに代えればよいでしょうか。国の制度では「障害児タイムケア」や「移動支援事業」などを市の行う地域生活支援事業としてそ
の市の実情に合った形で市が行うこととしています。
「ほっと」だけでは限界が
以上、デイサービスとホームヘルプサービスを見てきました。それぞれのサービスでは今までのような利用の仕方ができないこと
がおわかりと思います。障害者自立支援法はこれまで大ざっぱに行われてきた障がいのある人たちの福祉を整理し直して、特にお
金の「給付」に結びつく「サービス」についてはきちんと決めていこうとしているようにあります。このことは利用する人が1割
負担をしなければならない、言い換えればお金で買う「サービス」ですから、きちんとすることは大切なことではあります。しか
し、今まで利用していたサービスが使いづらくなったり、使えなかったり、制限されたりといったことも起こってきます。
このようなことに対して「ほっと」という一事業所がすべてを引き受けて解決していくには限界があり、不可能でもあります。こ
のような事柄は別府市という地域ぐるみで考え、解決していかなければなりません。
デイサービスが無くなった後の日中活動の場所が別府市内にどれだけあったらよいのか、どこの事業所がやるのか、どこでやるの
か、あるいは、障がいのある子どもたちの放課後や学校が休みの時の対策をどうするのか、こういったことをまちぐるみで考えて
いく時がきたのです。
まだまだほかにも私たち別府市に住む障がいのある人の抱える問題は沢山あります。それらをどこかの事業所にお任せし、何かや
ってもらうことは、もうできない時代となってきました。市民ひとりひとりが当事者として考え、解決に向けて一緒になって取り
組むことが求められています。
障害者自立支援法はこのようなことを私たちに投げかけているのです。
(センター長 田北)