平成18年1月1日発行 第34号


保育から


〜食事について〜


皆さん子育て楽しんでますか?『子育て』イコールしつけ≠ニいう言葉が思い浮かび、この言葉の重みに「ハァー」 とため息が出そうになるお母さん方も、多くいるのではないでしょうか・・・。実際にしつけ≠ニは、同じことの 繰り返し、時間とエネルギーも必要、子どもさんとの根気くらべのようなイメージさえあるのではないでしょう か・・・。

しかし考え方の視点を少し変えて、しつけとは『子どもに日本の文化を伝えること』と捉えてみると、気持ちが少 し楽になりませんか?また、文化を伝えるということは社会で生きていく力を身につけていく事であると共に、自立 心を育てる第一歩でもありますから、出来るだけ幼児期の早い頃から行なっていくことが大切です。

そこで、今回は食事場面にスポットをあてたしつけ≠ノついてのお話をさせて頂きます。


Q:2歳になりますが、食事中ウロウロと立ち歩き、座って食べる事が出来ません。どうしたら良いので しょうか? また、その際に気を付ける事があったら教えてください。

A:この時期の子どもさんは、何口か食べて空腹が少し満たされると椅子から立ったり、ウロウロと動き出してしま いますね。2歳という年齢からも食事マナーを身に付けていくには良い時期ですね。そこで今回は4つの項目に分けて詳しく お伝えしたいと思います。

@部屋の環境を整えましょう

  食事をする部屋を、より食事に集中できる環境にしてあげましょう。集中を妨げる要因となるものを部屋から取り除いたり視 野に入らないようにします。例えば、テレビを消すのは勿論ですが出来ればテレビに背を向ける位置に座らせるなどして、テレ ビそのものが目に入らないように出来ると、よりよいですね。また、おもちゃ類は別の部屋に片付けるか、布で目隠しするのも 大切です。おもちゃが見えてしまうと『食べたいけど遊びたい』という気持ちを誘発してしまうからです。

  A始まりと終わりの区別をしっかりつけましょう

  食べ始める際の「いただきます」と終える際の「ごちそうさま」の言葉の意味を教えていきます。食べる途中で立とうとした瞬間 に「ダメ」と言うのではなく、椅子を指さして「座ります」と言います。今どうすべきかを、きちんとわかりやすく言葉とジェスチ ャーで伝えます。それでも立ち上がろうとした時には「ごちそうさま」をさせて食事を片付けてしまいます。立ち上がったら食事 が終了してしまう因果関係を繰り返し教えていくことが大切です。そして最初は五分でも座れたら表情とオーバーアクションで 誉めてあげてください。これを繰り返す事で座って食べると、大好きなお母さんにこんなに誉めてもらえる、良いことなのだと 体得していくのです。

  B姿勢を保つ工夫をしましょう

  座っている姿勢を保つことが苦手な子どもさんもいます。背もたれがある椅子に座っても、お尻がズルズル前にずれてしまっ たりする子どもさんには、足の裏が床または足置きにしっかりつくようにして腰を前後左右に傾けないように保つ工夫をしま す。座る事に慣れていく為にテレビを見る際にも遊びながら見るのではなく、椅子に座って見る習慣づくりをするのも効果があ ります。

  C楽しい雰囲気の中で行ないましょう

  しつけ≠ノ真剣に取り組み始めると、どうしても緊迫した雰囲気になりがちです。
  食事は本来とても楽しいリラックスするひと時です。出来る限り時間に余裕のある時は子どもさんと向き合い、言葉掛けをしな がら食べるようにして必要な時にだけ、毅然とした態度で接するようにしましょう。また、好き嫌いがあり苦手なものがあって も、家族皆が笑っておいしそうに食べている様子を見せる事で、子どもさんの食べてみようとする意欲を諦めずに育てていきま しょう。


  ※今回は4つの項目に分けてお話させて頂きましたが、生活年齢、発達段階によって食事マナーの内容にもステップがあ ると思いますので、子どもさんの状態に合わせて行なってください。

 食事とは生命の維持に必要不可欠なものです。それだけに取り組みも難しいですし、すぐに結果が出るものでもありません。 『子どもに文化を伝える』という気持ちで、誉めたり怒ったり笑ったりしながら焦らず気長に・・・子育てを楽しめたらいいで すね。

                           

(ひばり園 保育士 阿部奈美)