平成16年8月1日発行 第26号


保育から 泣くことは癒しの過程


人ゴミの中で迷子になった、小さな子。涙を一生懸命こらえて、ママの姿を探し求めています。数分後、やっとママと再会。抱 き上げられた子どもは、ママの胸の中で、大泣きし始めました。町でよく見かける光景。でも、よく考えて見ると、ちょっと変 です。ママに出会ったからには、もう泣く必要はないはず。なのに、今まで泣いてなかった子がどうして?

実は、子どもが泣くとき、その多くは癒しの過程なのです。悲しいから泣く、寂しいから、」怖いから泣く…というより泣くこ とによって、心に溜め込められた悲しさ・寂しさ・恐怖といったマイナス感情を吐き出し、心が傷ついてしまうのを防いでいる のです。


泣くことは、心の痛手から立ち直るために、生まれながらの持っているメカニズム。だから、「もう泣かないで」「いいこだか ら、泣きやんでね。」とせかすより、「寂しかったね。心ゆくまで泣いていいよ。」と、落ち着くまで抱きしめてあげる方が、 心の健康のためには良いのです。

でも、わが子の泣き声に悩まされてきたママは、「子どもが泣くことは、成長にとって必要」と頭では理解していても、いざわ が子に泣かれると、気持ちが言うことを聞かなくなってしまいますね。また、「自分の子育てはうまくいっていない」という強 い思いと、苦しい気持ちの訴えが、まるでママを責めているかのように聞こえてしまい、共感どころではなくなってしまいます。

自分の方が泣きたくなるほど辛くても、泣かないで子育てをしてきたママが、子どもに泣き言を言われると、「ママだって泣か ずに我慢してやってきたんだから!」と腹立ったとしても無理もないこと。ママ自身が抱えている「泣きたい気持ち」が刺激さ れる訳です。こんな場合は、ママの泣きた い気持ちが楽になる事を優先していいのです。

泣きたいときは、泣いていい。これこそが、子どもが教えてくれる最大のプレゼント。まず、自分自身に向かって「よく頑張っ てきたね。泣きたいときは、泣いていいよ。」と言ってあげてくださいね。



 泣いていいよと言うと、余計泣き虫になることはありませんか?


 生まれつき繊細な心を持っている子どもは、ストレスを抱えやすいので、たくさん泣いてストレスを発散する必要が あります。たくさん泣く、泣かないは子どもの個性の違いによるところが多いのです。ママがしっかりと受け止めてあげると、 「パワフルに」に泣いて短時間でスッキリというふうになっていきますので、逆に、だんだん泣き虫さんではなくなっていきま すよ。

(保育士 藤原)

参考【心を抱きしめると子どもが変わる】(主婦の友社)より