|
大きな空と白い雲。 いつも私を見ている太陽。 私だけの太陽ってどこかにいないかな? *** ビアンカはいつもの丘の上でふう、とため息をついた。
全てが、新しい季節の到来を待ち焦がれている。 輝く季節を。
そして、ビアンカの村―山奥の村では、春に行われる収穫際の準備が行われている所で、 村人はうきうきとはずむその胸の内を隠そうともせずに忙しく村中を動き回っている。 「おうい、ビアンカ!さぼってないで、手伝いなさい!」 父のダンカンの声がし、ビアンカは振り向いて村を見下ろした。
「なあに、お父さん?」 「なあにじゃないだろう、収穫祭の準備を手伝いなさい。ただでさえうちの村は人手が
たりないんだからな。
ダンカンが丘の下方からそう声を上げて笑った。
「ん・……そうだね、ごめんなさい。でも、もうちょっとだけ休んでてもいいかな? もう少ししたら、必ず行くわ。」 後ろの方から、鳥が羽ばたいた音がした。
「構わないが・・…どうしたんだ?具合でも悪いのかい?」 「ううん、まさか!私は常に元気だもの。お父さんが一番良く知ってるでしょ? 大丈夫だから、先に行ってて。」 「…………ああ、わかった。できるだけ早くくるんだぞ。」 はい、とビアンカが言うのをしっかりと確認すると、ダンカンは最近とみに弱ってきている右足を 引きずりながら、ゆっくりと彼女の視界から遠ざかっていった。 ごめんね、お父さん、とビアンカはもう一度丘の上で姿勢を正して空を見上げなおした。 春が近いのに。もうすぐ暖かくなるのに。
毎日お父さんのお手伝いをして、村の皆とゆっくり生きていく。
でも。
「はあ。」 ビアンカはそこでまたため息をつく。 空はいつだって私を包んでる。
ずっと離れずに、私を見守ってくれる人。
「…なんてね。私、どうかしてるかな。」 ビアンカはちょっと肩をすくめて、自分の頭を叩いた。
丘にはこの地方独特の白い桜草が咲き乱れている。
「踏み潰さないようにしなくっちゃ。」 ビアンカは誰に言うとも無く、自分自身にそう言い聞かせると、ゆっくりと足を踏み出した。
「ビアンカ!いい加減にしなさい!」 ダンカンが家のテラスから再び怒鳴った。 「今行くところなの!」 声を張り上げてそう言い返すと、ビアンカはもう面倒になって丘の残り半分の斜面を大胆にも
飛び降りた。
ああ、そういえば、彼は元気なのかなあ?
また、会えるかな。
暖かく薫る風。
|
コウさんから、
相互リンク記念にいただきました♪
私のイラスト、「空を見上げてみれば」を元に変えてくださった、
心から愛するビアンカさまのおはなしです。
大丈夫だよビアンカ、キミだけの太陽はもうすぐやってくるから…
春になって、きっと会えましたよね(^^)
二人の心にも春がともって、ステキな太陽…。
ロマンにあふれたステキな作品です。
コウさん、ホントにありがとうございました!