Pipi Album
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プロローグ

1996年(平成8年)梅雨真っただ中の
しかし時折、晴れ間が広がる
蒸し暑い6月の終りごろのことです
わたしは行きつけの船の会社へ立ち寄りました
船の修理代を払うためです
そこで、社長の奥様から突然
「これ、もらってくれん?」
と言われました

「これ」は奥さまの胸に抱かれ
不安そうにわたしを見つめていました
「このまえ、道路をよちよち歩いているこれを拾って来たんよ。
 車に撥ねられそうで危なかったんよ」
飼い主と離れ、放浪の日々をずいぶん重ねたのでしょう
身は背骨が露出したように痩せこけ、体毛は絡み
「これ」はぶるぶる震えていました

「ペットショップやペット病院、保健所、張り紙もして、
 あちこち飼い主を捜したんよ。でも見つからんやった」
社長宅には病弱な老犬がいて
「これ」は若いあまり、病弱な犬にちょっかいを出すので
飼えないとのことでした

わたしはふた言返事で貰い受けました
でもわたしが飼うつもりはありませんでした
わたしの家は新築したばかりで
犬を室内で飼うなんて考えもよらなかったのです

動物の好きな友人がいて
彼に貰ってもらおうと思ったのです
ところが
彼の家にも老犬がいて、その世話で手いっぱいとのことでした
さあ、困った
当面、わが家で飼うほかありません・・・・・・・・




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