魚好きの猫もまたいで通るという梅雨クロ(メジナ)
でも梅雨時にまずくなるのはクロだけではないようです
キスやメバルの刺身は釣り人の特権だとわたしは思っていますが
梅雨に入るとキスは釣れなくなります
釣れるのは湾口を狭く閉ざした湾内です
でもそんな湾内の梅雨時のキス刺身は
食えたものじゃありません
クレゾールって薬品、知っています?
魚をクレゾール液に浸けておいた臭いがします
アジだって梅雨のアジは身がパラパラって感じで
それまでのアジ刺しとまったくちがうまずいものになってしまします
梅雨になると海水塩分が薄くなり
魚にとって住みにくくなる
従って住みやすい環境を求めて深場や外海など他の地域に移動する
釣れなくなるのはそのせいです
釣れるのは移動するのがおっくうだった無精者
いえ無精魚ってわけですよ
梅雨は無精者が無精魚を釣る季節なんですねえ
と、まあ、感覚的にはそう思っていましたが
コレって、ほんと?
ほんとうに梅雨時は釣果が落ちるのでしょうか?
データを梅雨前、梅雨時、梅雨後に分けて、検証しました。
なお、本データはわたしの釣果データで、次にある「T.今年の好釣分析」は
同行者Mさんの釣果データですから、数値は一致しません。
H20 H21 H22
・梅雨前、梅雨時、梅雨後の順です
・ひと目盛5匹です
・H21の梅雨後はありません(年末に記入します)
・各年とも、真ん中が梅雨時の平均釣果となります
1.結論
@梅雨時は明らかに釣果が落ちる
A梅雨が明けるとまた釣れ始める
B梅雨時は無理してまで釣行する必要はない
2.原因(推測)
@塩分濃度の変化によって、魚は生息環境に適した海域に移動する
A移動しなかった魚も給餌に消極的
Bバッチ漁(6月〜8月のイリコ漁)の時期と重なり、海域が荒れる
Cバッチ漁でイリコ以外の魚も捕獲され、魚が減少する
いつも同行のMさんからメールが届きました。
・・・・・暇に任せて 昨年と今年の5月までの釣りの回数とその成果について
比べてみた。回数が多いもののその差明らか。特にタイの釣り果の差が大 きい。・・・・・・
船長さん この差は? 私の意見
1.昨年に比べ水温が高いので魚の数が多く食いがいい
2.昨年に比べ中層で釣り果があがってる
3.船長さんの停船位置決定の精度があがってる
4.腕が上がったのかな?
他に何か考えられますかね
以上がメールの内容です。
・1回平均釣果が昨年と比べ約2倍もあります
・タイというのはチダイ混じりのマダイ+チダイで、確かに、今年はチダイの異常発
生の如き釣果です
・釣果を押し上げているのはタイだけではありません。アジも倍増です
Mさんが不思議がるのももっともです。
ちなみに、わたしの同期実績もほぼ同じようになっています。
【表2 課題と検証】
【判定根拠】
1.水温が高く魚の数が多い(検証不能ではありますが)
@昨年10月頃、これまで釣れなかったサンバソウが多量に釣れた
A今年、冬季でも釣果が落ちなかった
B水温20℃前後から食い始めるチヌが昨年同期比2倍釣れた
C例年、春先から釣れるチダイの型はリリースサイズだったが、今年は掌サイズだ
以上のことから可能性大と思われます
2.中層で釣果があがってる
@例年海底に仕掛けを落としていたが、今年は中層狙いが多い
AMさんのリールに出る水深メーターに合わせ、釣り始めた
B中層は手返しが早くでき、効率があがる
(水深20mの海底と10mの中層では手返しが半分の時間)
以上のことから中層で釣果があがっていることは確かです。釣るタナは随
時変えて試してみることです
3.停船位置決定の精度があがってる
@何よりもMさんの投錨が迅速になりました
Aわたしは魚深で探りながら、ここぞ、と思うポイントに到達した場合、風向き
と潮流、水深を考え、アンカーが海底に到着したとき、魚群上に船が止まる
位置まで移動し投錨の合図をします。この時、投錨に手間がかかると船
はその分流され、魚群からずれることになります
以上のことからMさんの手際のよさのお陰で、停船位置の精度はあがっ
たと思います
4.腕が上がった
・腕が上がった、ということには色んな要素があると思います
@手返しが早くなった
Aサビキの良し悪しを見分けるようになった
B水深や潮流に合わせ、随時、オモリを変えている
Cアミカゴも時と場合によって使い分けるようになった
D根掛りの回数が減った(釣りながら回避している)
以上のことからわたしもMさんも腕が上がったことは確かだと自負してい
ます
5.天候(晴れ、曇り、風波の強弱)の条件がいい
・晴天の日中は食いが悪いと考えていますから、昨年は晴天日の釣行が多
かったのかな、と考え、集計してみました
@この表で見る限り、多少は関係あるのかな、という程度です
以上のことから、ここでは、はっきり天候に左右されるとまでは言い切れ
ません。
しかし、図1と図2(「釣れるのはこの日だあ」より)を見比べて下さい。図1はH14〜H17
の各年の1釣行当り平均釣果(匹数)のグラフです。図2は年間日照時間で す。
@H16年は1回当りの釣果が極端に少ない年でした
Aこれに対し、H16年は例年になく、日照時間の長い年でした
以上のことから、今回のMさんの5か月分データからははっきりしないもの
の、曇り日の方が釣果は上がることは確かだと考えます。それはなぜ
か、ということについては近々わたしの持論を展開させたいと思います。
6.潮がいい日の釣行が多い
表5 別の角度から推測
※一日の釣果を多い日から順に並べています
※潮汐欄;1=大潮、2=中潮、3=小潮、4=長潮、5=若潮
@表4から、前年同期とみて、今年の方が大潮日が少ないです
A表5から、好釣果(表の前半)の日には大潮はありません
A逆に表の終りに行くほど、大潮の日があります
以上のことから今年はたまたま、潮のいい日に釣行していた、と言えま
す。そして大潮以外の日であれば、大いに期待できると考えられます。
なお、図3(「釣れるのはこの日だあ」より)はH14〜H17の4年間のデータを集計したも
ので、一番釣果の上がるのは中潮、次が小潮、以下大潮、長潮、若潮の順 となっています。いずれにしても大潮が最良日ではありません。
【今後に向けて】
釣り分析には海底水温、海面水温の測定が欠かせないと考えますが、目
下のところ、水温計を購入する予算がなく、将来、実現させたいところです。
また、「釣れるのはこの日だあ」をH14からH21までデータを総合し、リファインし
たいと考えています。
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