この旅最後の日。ゆっくり10時にホテルを出る。JRで彦根に向かう。10時30分発の新快速。46分ぐらいで着くらしい。1日目から歩き通しで、さすがに疲れた。きょうはデイバックを背負ういつものパターンを止めて、ダウンジャケットのポケットにカメラだけ入れて、あとの荷物はホテルに預ける。
11時半ごろ彦根城到着。駅から歩いて10分ぐらい。雨がぽつぽつ。きょうも天気は不安定。予報を信じて傘を持ってこなかった。
馬止めなどを見たあと天守閣へ石段を上っていく。天守閣に着いたころにはまた晴れる。天守閣は小さなものだが、国宝ですから、ありがたみが違います。柱なども太くて風格がある。今は高いビルだってすぐに建つのでしょうが、彦根城の整備には20年の歳月をかけている。耐震偽装問題などが起きる現在とは、建設に掛けるエネルギーが違うのでしょう。
天守から彦根の街を眺める。小さな城とはいえ、こうして“城下町”を見下ろすのは殿様になったようで気持ちいい。ただ、天守閣内の階段はかなり急。階段というかハシゴ? 下る時は手すりをしっかり握り締めて踏み外さないように緊張しながら(笑)足を進める。見学客も多くて列になって階段を使うので、女性はスカートはやめたほうがいいです。
城内を歩く。梅の花が咲いている。見学コースから少し外れるのでしょうか、私の他には老夫婦らしい二人。「春の香りがする」と話していた。確かにいい匂い。
最後に井伊直弼生誕の地、お殿様の屋敷を見学。格調高そうな建物。地震対策された建物もあって面白い。殿様を守る方法をいろいろと考えていたのでしょう。大きな庭は駆け足で回る。
午後1時半、彦根城を後にする。「ひこにゃん」登場の時間だが、まだ人気があるのかな。私は“ゆるキャラ”はどうでもいいや。
この旅の最終目的地(彦根に向かう電車で決めたが…)「安土城跡」へ。安土駅からタクシーを使う。いつもなら歩く距離だが、タイムリミットが近づいてきたので安全策をとる。
安土城跡は入場料500円。石段が続く。いい感じ。あまり整備されていないところに味がある。入口近く、豊臣秀吉と前田利家の屋敷跡。城を守っていた? それとも一等地だから? 石段は440段。地形を生かしながら、うねるように進む。
かなり登ったところに森蘭丸、織田信澄邸があった。信長に近い人間が天守閣そばに住んでいたのでしょう。ここまで来るのは結構きつい。
天守閣跡。現在見えているのは地下部分。当時の天守閣はこの2倍あったそう。日本初の天守閣は信長の先見性と力を誇示する巨大なものだったのだろう。
遠くに琵琶湖が見える。当時はすぐ下まで水がきていたが、干拓され農地が広がっている。木が伸びていて琵琶湖方向以外は視界が悪い。また雨が降ってきた。それも強く。もう少しゆっくりしたかったが、何枚か写真を撮って帰ることに。
下りのコースには当時の三重塔などが残る。雨宿りする人がいたが、時間がないので濡れながら入口まで戻る。
安土城は総見寺の私有地。トイレの整備などが遅れていて、観光地というには少し厳しい気もする。石段に少しコンクリートが入っていたが、崩れるのを防ぐためで、その他の場所は当時のままだそう。見学コースが決まっていて、他の城のようにブラブラ歩きまわることも難しい。マムシに注意などの看板もあり、コースの外は木が茂った状態なのでしょう。きょうは時間も短かったのでしょうがないが、城全体を感じることはなかなか難しい。ただ、信長という「天下人」の居城が永い歳月に埋もれていた姿は趣がある。
安土駅への帰りもタクシー。電車まで少し時間があったので土産を探す。和菓子を買った後、もう一軒、土産屋に。おじいさんとおばあさんが二人でやっているよう。にごり酒「安土城 信長」を買ったら喜んでくれた(「安土城 信長」は帰宅後呑んだが、おいしかった。ネットで調べると岐阜の三輪酒造が造っていた。三輪酒造のにごり酒「白川郷」は呑んだことがある気がする。にごり酒を多く造っているのでしょうか)。安土に行かれたら、駅前の小さな土産屋で信長の夢を探してみては?
5時ごろ京都到着。ホテルで荷物を受け取って神戸へ。夕飯を食べる時間はなくなった。京都駅構内を少し走って新快速に飛び乗る。あとはバスを乗り継いで神戸港へ。再び、さんふらわあ・ごーるど乗船。バイキング料理を肴に、夜景を見ながら、缶ビール、梅酒ソーダ割り。あすの朝には大分へ。
|